認知症患者とのコミュニケーション上の配慮で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
認知症患者とのコミュニケーションでは、本人の理解力や記憶力に合わせて配慮が必要です。静かな環境で簡潔に話すこと、非言語的コミュニケーションを活用すること、そして相手のペースを尊重し、本人にとってなじみ深く関心のある話題を選ぶことが重要です。これにより、相手は安心して話に参加しやすくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 騒がしい環境は認知症患者の集中を妨げ、混乱を招きやすいため不適切です。正しくは:静かで落ち着いた環境で話すことが望ましいです。選びやすい理由:一見するとにぎやかな環境は活気があるように思えるかもしれませんが、認知症患者にとっては情報過多となりやすいです。混同注意:静かな環境と、全く刺激がない環境を混同する可能性があります。
- 2. 認知症患者は複数の情報を同時に処理することが難しいため、詳細すぎる指示は理解を困難にさせます。正しくは:指示は短く簡潔にし、一度に一つのことだけを伝えるようにします。選びやすい理由:正確に伝えたいという意図から、つい詳細な説明をしてしまいがちです。混同注意:正確な情報伝達と、情報量の多さを混同する可能性があります。
- 3. 言葉だけでは伝わりにくいことが多いため、ジェスチャーや身振り手振りは非言語的な情報として理解を助ける有効な手段です。正しくは:言葉だけでなく、身振り手振りや視覚的な手がかりも積極的に活用します。選びやすい理由:身振り手振りがかえって混乱させるのではないかと考えるかもしれませんが、実際は理解を助けることが多いです。混同注意:言語的コミュニケーションの重要性と、非言語的コミュニケーションの活用を混同する可能性があります。
- 4. 沈黙は、相手が考えている時間や、言葉を探している時間である可能性があります。すぐに話題を変えるとその機会を奪ってしまいます。正しくは:相手が沈黙した場合でも、すぐに話題を変えず、ゆっくりと待つ姿勢が大切です。選びやすい理由:会話が途切れることを避けようとして、沈黙を不快に感じてしまうことがあります。混同注意:会話のペースと、相手の思考時間を混同する可能性があります。
- 5. 正解。本人の興味や過去の経験に関する話題は、記憶を刺激しやすく、話に参加しやすいため、よりスムーズなコミュニケーションにつながります。正しくは:(正しいため修正不要)選びやすい理由:(正しいため該当せず)混同注意:(正しいため該当せず)
国試ポイント
認知症患者とのコミュニケーション原則に関する基本的な知識が問われています。特に、患者の認知機能特性を理解し、それに合わせた具体的な対応方法を選択できるかがポイントとなります。
混同注意
各選択肢が示す具体的な対応策が、認知症患者の症状とどのように結びつくかを正確に理解していないと、間違った選択肢を選びやすいです。例えば、活気ある環境が良い、正確な情報だから詳細に、といった誤った連想を生みやすい選択肢が並んでいます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、認知症の症状とそれに応じた具体的な対応が適切に結びついているか、多角的に検討する必要があります。特に、「落ち着いた環境」「簡潔な指示」「本人の関心」といったキーワードに注意を払うべきです。
関連知識
認知症の症状(記憶障害、見当識障害、実行機能障害など)の理解、非言語的コミュニケーションの重要性、バリデーション療法、回想法などのコミュニケーション技法。