動脈と脈拍の触知部位との組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
総頸動脈は、頸部の胸鎖乳突筋の前方縁に沿って走行しており、この部位で脈拍を触知することが解剖学的に適切です。頸部前面からやや側方、甲状軟骨の高さで触知します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。総頸動脈は、胸鎖乳突筋の内側縁(前方縁)と気管との間で触知するのが適切です。これは解剖学的に正しい位置です。選びやすい理由:正しい解剖学的知識に基づいているため、迷わず選べるでしょう。混同注意:他の頸部にあるリンパ節や神経の触知部位と混同する可能性は低いですが、頸動脈洞マッサージの部位と勘違いするかもしれません。
- 2. 上腕動脈は、上腕二頭筋の内側縁で触知するのが適切です。外側縁ではありません。正しくは:上腕二頭筋の内側縁選びやすい理由:上腕二頭筋は上腕の主要な筋肉であり、その周辺に動脈が走行していることはイメージしやすいです。しかし、内側と外側の区別が曖昧だと誤って選択しがちです。混同注意:上腕二頭筋腱の外側には、橈骨神経や正中神経などの神経が走行しており、動脈の触知部位ではないです。
- 3. 橈骨動脈は、前腕の掌側橈側(母指側)の近位部ではなく、遠位部、つまり手首の親指側に近い場所で触知するのが適切です。正しくは:前腕の掌側橈側遠位部(手関節部)選びやすい理由:前腕の掌側であることは理解しやすいですが、「内側近位部」という詳細な部位指定が誤りです。橈骨動脈は手首の親指側で触知するのが一般的です。混同注意:尺骨動脈の触知部位(前腕の掌側尺側遠位部)や、上腕動脈と混同しやすいです。
- 4. 大腿動脈は、鼠径靭帯の中央よりやや内側、腸骨筋と大腰筋の間、または恥骨結合と上腸骨棘を結んだ線のほぼ中央で触知するのが適切です。腸腰筋の外側ではありません。正しくは:鼠径部の鼠径靭帯中央部よりやや内側選びやすい理由:鼠径部で大腿動脈を触知することは一般的ですが、「腸腰筋の外側」という具体的な位置指定が誤りです。腸腰筋は鼠径靭帯の下を通過しますが、大腿動脈はより内側に位置します。混同注意:大腿神経の走行部位(大腿動脈の外側)や、大腿静脈の走行部位(大腿動脈の内側)と混同しやすいです。
- 5. 足背動脈は、足背の中央、第1・第2中足骨の間で触知するのが適切です。外果の後方で触知するのは後脛骨動脈です。正しくは:足背の中央、第1・第2中足骨の間選びやすい理由:足の動脈であることは理解しやすいですが、足背動脈と後脛骨動脈の触知部位を混同しやすいです。外果の後方は後脛骨動脈の触知部位として非常に有名です。混同注意:後脛骨動脈の触知部位と混同しやすいです。足背動脈は足の甲、後脛骨動脈は内果とアキレス腱の間です。
国試ポイント
主要な動脈とその脈拍触知部位の正確な解剖学的知識が問われています。特に、臨床で頻繁に用いられる動脈の触知部位は重要です。
混同注意
各動脈の走行部位や、触知する際のランドマークとなる筋や骨の位置を混同しやすいです。特に、上腕動脈と橈骨動脈、大腿動脈と鼠径靭帯との関係、足背動脈と脛骨動脈は間違えやすいです。
次に同じ論点が出たら
次回同様の問題が出た場合、各選択肢の動脈がどこを走行し、どのランドマークの近くで触知するのが最も適切かを、解剖図をイメージしながら判断します。
関連知識
各動脈の支配領域や、圧迫止血点としても重要な部位であることを関連付けて覚えると理解が深まります。また、ショック時など微弱な脈拍を触知する際の優先順位も重要です。