副甲状腺ホルモンで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
副甲状腺ホルモン(PTH)は血中カルシウム濃度が低下した際に分泌され、骨からのカルシウム放出を促進して血中カルシウム濃度を上昇させます。具体的には、破骨細胞を活性化させて骨吸収を亢進します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。副甲状腺ホルモンは、骨にある破骨細胞を活性化させることで骨の吸収を促進し、血中カルシウム濃度を上昇させます。これは、低カルシウム血症の際に血中カルシウム濃度を正常に戻すための主要な機序の一つです。
- 2. 副甲状腺ホルモンは、副甲状腺の主細胞(chief cell)から分泌されます。正しくは:副甲状腺ホルモンは、副甲状腺の主細胞で分泌されます。選びやすい理由:ホルモンを分泌する細胞に関する知識は重要なので、他の分泌細胞と混同しやすいかもしれません。混同注意:「好酸性細胞」という表現から、体内の様々な内分泌細胞や免疫細胞と混同する可能性があります。特に、好酸球は免疫細胞の一種です。
- 3. 副甲状腺ホルモンは、腎臓の尿細管におけるリンの再吸収を抑制し、尿中へのリン排泄を促進することで、血中リン濃度を低下させます。正しくは:腎臓でのリンの再吸収を抑制します。選びやすい理由:カルシウムとリンは密接に関連しており、どちらかの吸収・排泄に影響することは知られているため、方向性を誤りやすいです。混同注意:カルシウムの再吸収促進と混同し、リンも同様に促進すると誤解しやすいです。副甲状腺ホルモンは血中カルシウム濃度を上げ、血中リン濃度を下げる働きがあります。
- 4. 副甲状腺ホルモンは、腎臓における重炭酸イオンの再吸収には直接的な主要な影響をほとんど与えません。重炭酸イオンの再吸収は、主にアシドーシス/アルカローシスの調整に関わる様々な要因によって制御されます。正しくは:副甲状腺ホルモンは、重炭酸イオンの再吸収に直接的な主要な影響を与えません。選びやすい理由:腎臓におけるイオンの再吸収は多くのホルモンによって影響を受けるため、一見すると選択肢としてあり得るように感じてしまうかもしれません。混同注意:腎臓における様々なイオン(Na+、K+、Cl-、Ca2+、HPO42-など)の再吸収・分泌作用と混同しやすいです。副甲状腺ホルモンの主要な標的はCa2+とHPO42-です。
- 5. 副甲状腺ホルモンは、腎臓の遠位尿細管でのカルシウムの再吸収を促進し、尿中へのカルシウム排泄を減少させることで、血中カルシウム濃度を上昇させます。正しくは:遠位尿細管でのカルシウム再吸収を促進します。選びやすい理由:腎臓での作用は複雑であり、促進と抑制を逆にしてしまいやすいです。混同注意:リンの再吸収抑制とカルシウムの再吸収促進という、異なるイオンに対する逆の作用を混同しやすいです。
国試ポイント
副甲状腺ホルモンの主要な生理作用、特に骨と腎臓における作用について正確な知識が問われています。各選択肢の作用が促進か抑制か、どの物質に作用するかを明確に理解していることが重要です。
混同注意
カルシウムとリンの代謝におけるホルモンの作用方向(促進/抑制)が混同されやすい。特に、腎臓におけるリンの排泄促進とカルシウムの再吸収促進は、方向が逆であり、注意が必要です。また、ビタミンDとの相互作用も理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、PTHだけでなく、カルシトニンや活性型ビタミンDの主要な作用も合わせて問われる可能性があります。それぞれのホルモンが血中カルシウム濃度やリン濃度にどのように影響するか、骨、腎臓、腸管における作用の違いを比較して覚えることが重要です。
関連知識
副甲状腺ホルモンの主な標的臓器は骨と腎臓であること。骨では骨吸収を促進し、腎臓ではカルシウム再吸収を促進、リン再吸収を抑制する。また、腎臓での1α水酸化酵素を活性化し、ビタミンDの活性化を促すことで、腸管からのカルシウム吸収を間接的に促進する。