手根管を通過しないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
手根管は、屈筋支帯と手根骨によって形成されるトンネル状の構造です。ここを通過するのは、正中神経と、深指屈筋腱4本、浅指屈筋腱4本、長母指屈筋腱1本の計9本の屈筋腱です。尺側手根屈筋腱は手根管の尺側に位置し、屈筋支帯の表面を通ります。橈側手根屈筋腱も手根管の内部は通過せず、屈筋支帯と舟状骨結節の間を独立した腱鞘に包まれて走行します。
選択肢ごとの解説
- 1. 深指屈筋腱は正中神経とともに手根管を通過します。正しくは:深指屈筋腱は手根管を通過します。選びやすい理由:手根管症候群の知識と関連するため、通過すると誤解しやすいかもしれません。混同注意:手根管内の腱とそうでない腱の区別。
- 2. 浅指屈筋腱も正中神経とともに手根管を通過します。正しくは:浅指屈筋腱は手根管を通過します。選びやすい理由:手根管症候群の知識と関連するため、通過すると誤解しやすいかもしれません。混同注意:手根管内の腱とそうでない腱の区別。
- 3. 長母指屈筋腱も正中神経とともに手根管を通過します。正しくは:長母指屈筋腱は手根管を通過します。選びやすい理由:手根管症候群の知識と関連するため、通過すると誤解しやすいかもしれません。混同注意:手根管内の腱とそうでない腱の区別。
- 4. 正解。尺側手根屈筋腱は手根管の尺側に位置し、手根管の屋根の一部を構成する屈筋支帯の上を通るため、手根管自体の中は通過しません。
- 5. 橈側手根屈筋腱は屈筋支帯の表層にあり、独立した腱鞘に包まれ手根管の橈側端を通過しますが、手根管の内部構造である屈筋支帯の深層にある空間(手根管)は通りません。正しくは:橈側手根屈筋腱は手根管の内部は通過しませんが、屈筋支帯の直下を通過し、独立した腱鞘を持つため、手根管を通過しないと覚えるのが適切です。選びやすい理由:屈筋支帯の近くを通るため、手根管の構成要素と誤解しやすいです。混同注意:手根管の入口付近を通る腱と、手根管の中を通過する腱の区別。
国試ポイント
手根管の解剖学的構造と、そこを通過する組織(特に神経と腱)の正確な知識が問われます。通過する腱と、手根部に存在するが手根管内は通過しない腱の区別が重要です。
混同注意
手根部に存在するすべての屈筋腱が手根管を通過すると誤解しやすい。特に、屈筋支帯の近くを通る腱(尺側手根屈筋腱、橈側手根屈筋腱)と、手根管内部を通過する腱との区別が曖昧になりやすいです。
次に同じ論点が出たら
この問題で誤答した場合は、手根部の骨と靭帯の立体構造、およびその周りを走行する神経・血管・腱の位置関係を、解剖図や模型で再度確認する必要があります。特に、正中神経、尺骨神経、橈骨神経の走行とその周辺構造を詳細に学習することが求められます。
関連知識
手根管症候群の病態生理、手根管内の組織に対する圧迫の影響、ギヨン管(尺骨神経と尺骨動脈が通る)の解剖。