体幹の伸展運動を図に示す。伸展を制動する靱帯はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
前縦靱帯は、椎体の前面を縦走する強固な靱帯であり、脊柱の過度な伸展運動を制限する主要な構造です。体幹が伸展する際にこの靱帯が緊張し、脊椎の安定性を保ちます。一方、後縦靱帯は屈曲を、棘上靱帯や棘間靱帯も屈曲を制限します。横突間靱帯は側屈を制限します。
選択肢ごとの解説
- 1. 棘上靱帯は脊椎の棘突起の先端を結び、主に体幹の屈曲を制限します。伸展には直接的な制動作用はほとんどありません。正しくは:棘上靱帯は体幹の屈曲を制限する靱帯である。選びやすい理由:脊椎の安定化に関わる靱帯であるため、伸展にも何らかの関与があるように感じるかもしれない。混同注意:他の脊椎靱帯の機能と混同しやすい。
- 2. 棘間靱帯は隣接する棘突起間に位置し、主に体幹の過度な屈曲を制限します。伸展運動の制動には関与しません。正しくは:棘間靱帯は体幹の屈曲を制限する靱帯である。選びやすい理由:棘突起の間にあることから、伸展時に引き伸ばされて制動するイメージを持つかもしれない。混同注意:棘上靱帯と同様に、屈曲制限と伸展制限の役割を混同しやすい。
- 3. 正解。前縦靱帯は椎体の前面に位置し、頸椎から仙骨まで脊柱全体を縦走します。体幹の伸展時に引き伸ばされ、過度な伸展を制動する主要な靱帯です。選びやすい理由:靱帯の名称と位置関係を正しく理解していれば、迷わず選択できる。混同注意:後縦靱帯との機能の違いを正確に理解しておく必要がある。
- 4. 後縦靱帯は椎体の後面(椎孔の内側)に位置し、主に体幹の屈曲を制限します。伸展時には弛緩するため、制動作用はありません。正しくは:後縦靱帯は体幹の屈曲を制限する靱帯である。選びやすい理由:前縦靱帯と対になる靱帯であるため、選択肢として非常に紛らわしい。前縦靱帯が屈曲、後縦靱帯が伸展と誤解する可能性がある。混同注意:前縦靱帯の機能と混同しやすい。位置とそれぞれの役割を正確に覚える必要がある。
- 5. 横突間靱帯は隣接する横突起間に位置し、主に体幹の側屈を制限します。伸展運動には直接的な制動作用はほとんどありません。正しくは:横突間靱帯は体幹の側屈を制限する靱帯である。選びやすい理由:脊椎の安定性に関わる靱帯であるため、伸展にも影響があるように見えるかもしれない。混同注意:他の脊椎靱帯、特に屈曲・伸展に関わる靱帯の機能と混同しやすい。
国試ポイント
体幹の各運動(屈曲、伸展、側屈)を制限する主要な靱帯の名称と機能(位置関係)を正確に理解しているかが問われます。特に前縦靱帯と後縦靱帯の役割は頻出です。
混同注意
前縦靱帯(伸展制限)と後縦靱帯(屈曲制限)の機能は特によく混同されます。また、棘上靱帯や棘間靱帯も屈曲制限であるため、その点も整理が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず設問が「伸展」「屈曲」「側屈」のどの運動について問うているかを確認し、次に各選択肢の靱帯がどの運動を制限するのかを想起する。特に前縦靱帯と後縦靱帯の区別は常に意識する。
関連知識
脊柱の安定化機構、各脊椎靱帯の解剖学的位置と機能、体幹の運動方向と制限因子。椎間関節や椎間板の機能も関連する。