膝関節で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
膝関節の屈曲運動では、開始時は主に転がり運動が起こり、可動域が深まるにつれて滑り運動の割合が増加します。これは大腿骨顆が脛骨顆の後縁から脱臼するのを防ぎ、関節包や靱帯への過度な負担を避けるための機構です。
選択肢ごとの解説
- 1. 膝関節の大腿骨顆部では、外側顆よりも内側顆の方が関節面が広いです。これは、内側顆が体重支持により重要な役割を担うためと考えられます。正しくは:関節面は、大腿骨の外側顆よりも内側顆の方が広くなっています。選びやすい理由:膝関節の構造は複雑であり、内外側のどちらが大きいか混同しやすいです。混同注意:大腿骨顆部の大きさと脛骨顆部の大きさ。また、関節面の広さと関節の安定性の関係。
- 2. 前十字靱帯は、下腿の前方へのずれ(前方引き出し)と、脛骨の外旋を制限する主要な靭帯です。屈曲運動そのものの主要な制限因子ではありません。正しくは:前十字靱帯は、主に下腿の前方移動と脛骨の外旋を制限する役割があります。選びやすい理由:靭帯が関節の動きを制限するという点で、部分的に正しい印象を与えるかもしれません。混同注意:後十字靭帯(下腿の後方移動を制限)や、他の主要な膝関節靭帯(内側側副靭帯、外側側副靭帯など)の機能。
- 3. 膝関節の最終伸展時に、脛骨が大腿骨に対してわずかに外旋する動きを「スクリューホームムーブメント」と呼びます。これは膝関節をロックし、安定性を高めるための重要な機構です。正しくは:膝関節を完全に伸展していくと、下腿は外側に回旋します。選びやすい理由:スクリューホームムーブメントの方向を逆に覚えてしまっている場合や、運動学的な詳細を混同している場合。混同注意:屈曲開始時の大腿骨の内旋と混同しやすいです。また、最終伸展位でのロッキング機構の理解が不十分な場合。
- 4. 正常な膝関節では、大腿骨と脛骨の長軸は完全な一直線上にはなく、生理的な外反(約5〜7度)が存在します。これはQアングルにも関連する重要な特徴です。正しくは:大腿骨と脛骨の長軸は、正常な状態では生理的な外反角度をもって位置しています。選びやすい理由:膝関節がまっすぐに見えることから、一直線であると思い込む可能性があります。混同注意:まっすぐな関節のイメージと、実際の生理的アライメントとの違い。O脚やX脚といった異常アライメントとの比較。
- 5. 正解。膝関節の動きは転がりと滑りの組み合わせで構成されます。屈曲の初期段階では転がり運動が優位ですが、後半(最終可動域)では大腿骨顆が脛骨顆の上を滑る運動が主となります。これは、大腿骨顆が脛骨顆後縁から脱臼するのを防ぐため、また、大腿骨顆の曲率半径が後方で小さくなるためです。選びやすい理由:関節運動学の基本を理解していないと、転がりと滑りの比率がイメージしにくいかもしれません。混同注意:屈曲初期の転がり運動と、滑り運動が起こるタイミング。また、各関節における転がりと滑りの一般的なパターン。
国試ポイント
膝関節の運動学、特に転がりと滑りの組み合わせ、スクリューホームムーブメント、各靭帯の機能、そして正常な関節アライメントといった基礎知識が問われています。単に解剖学的な知識だけでなく、それがどのように機能するかを理解しているかが重要です。
混同注意
膝関節の運動学的詳細は、転がりと滑りの概念、軸の回旋方向、靭帯の主要な制限方向など、混同しやすい要素が多く含まれます。特に「スクリューホームムーブメント」の方向や、屈曲・伸展時の転がりと滑りの主たるタイミングは頻出ポイントです。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、次は『膝関節のスクリューホームムーブメント』の具体的なメカニズムや、各靭帯が『どのような条件下で』伸張・制限されるかを問う問題が出る可能性があります。また、膝関節疾患と関連付けて、特定の運動制限やアライメント異常について問われることも考えられます。
関連知識
スクリューホームムーブメントのメカニズム(内側顆の大きさ、十字靱帯の張力、大腿骨顆の形状)、膝関節の主要な靭帯(十字靱帯、側副靱帯)の機能、Qアングルと膝アライメント(生理的外反)、膝関節のバイオメカニクス(運動連鎖)。