小学校高学年の注意欠如・多動性障害で高頻度にみられる症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ADHDの主要な特徴である「不注意」は、学童期において学業上のケアレスミスとして現れることが非常に多いです。問題の指示の聞き漏らし、課題の細部への注意の欠如、物忘れなどが典型的な症状であり、小学校高学年においても高頻度に見られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ADHDの主要な特徴である不注意は、学童期において学業や日常生活でのケアレスミスとして頻繁に現れます。問題の指示を聞き漏らす、細部への注意が欠ける、課題を最後までやり遂げられない、忘れ物が多いなどが典型的な症状です。
- 2. この症状は書字障害(ディスグラフィア)や重度の発達遅滞、知的障害などに関連する可能性はありますが、ADHDの主要な症状ではありません。ADHDは認知能力そのものの欠陥ではなく、不注意や多動性・衝動性が特徴です。正しくは:「自分の名前が書けない」ではなく、「課題を最後までやり遂げられない」「指示を聞き漏らす」など不注意に関連する記述であればADHDの症状となりえます。選びやすい理由:発達障害全般への漠然とした知識から、発達障害=学習困難と短絡的に結びつけてしまうと選ぶ可能性があります。混同注意:特定の学習障害(書字障害)や知的障害と混同しやすいです。
- 3. この症状は、社会的相互作用の困難や限定的な行動パターンを特徴とする自閉スペクトラム症(ASD)の症状に合致します。ADHDの子どもはむしろ衝動性から他者との関わりでトラブルを起こしやすいことはありますが、自ら積極的に接触を避ける行動は一般的ではありません。正しくは:ADHDの子どもは衝動性や不注意から人間関係でトラブルを起こすことはあるため、「衝動的な行動により友人との関係でトラブルが多い」などであればADHDに関連します。選びやすい理由:発達障害全般にコミュニケーションの困難があるという認識から、自閉スペクトラム症の症状と混同する可能性があります。混同注意:自閉スペクトラム症(ASD)と混同しやすいです。
- 4. この症状は、特定の状況下(主に学校など)で発話が困難になる選択的緘黙(かんもく)の典型的な特徴であり、ADHDの主要な症状ではありません。正しくは:「家庭では普通に話すが学校では発語が乏しい」ではなく、「授業中にじっと座っていられない」「順番を待てない」など、多動性・衝動性に関連する記述であればADHDの症状となりえます。選びやすい理由:子供の精神疾患の一種であるため、発達障害と混同する可能性があります。混同注意:選択的緘黙と混同しやすいです。
- 5. これは強迫性障害(OCD)の症状です。不安や強迫観念によって特定の行動を繰り返すことを特徴とします。ADHDの不注意では「忘れ物が多い」ことはありますが、「忘れ物がないか過度に確認する」という強迫行為はADHDの直接的な症状ではありません。正しくは:ADHDでは「忘れ物が多い」「持ち物を失くしやすい」がよく見られます。選びやすい理由:ADHDの不注意と「忘れ物」というキーワードが共通するため、知識があいまいだと選んでしまう可能性があります。混同注意:強迫性障害(OCD)と混同しやすいです。また、ADHDの「忘れ物が多い」という症状とはメカニズムが異なります。
国試ポイント
発達障害の中でも、ADHD、ASD、学習障害(LD)のそれぞれの主要な症状や特徴を正確に鑑別できる知識が問われています。特に、年齢に応じた症状の現れ方を理解しているかが重要です。他の精神疾患(選択的緘黙、強迫性障害など)との鑑別も求められます。
混同注意
不注意による「忘れ物が多い」というADHDの症状と、強迫性障害の「忘れ物がないか何度も確認する」という症状は混同しやすいです。また、ADHDとASD、選択的緘黙、強迫性障害など、他の発達障害や精神疾患の症状との鑑別が重要です。
次に同じ論点が出たら
次にADHDの症状を問う問題が出題された場合、不注意症状だけでなく、多動性・衝動性の症状や、就学前・青年期・成人期といった年齢層に応じた症状の変化について問われる可能性があります。また、ASDやLDとの複合的な鑑別を求める問題も想定されます。不注意が「忘れ物が多い」のか、「忘れ物がないか何度も確認する」のか、といった症状のニュアンスの違いを見極める洞察力が求められます。
関連知識
ADHDの診断基準(DSM-5)における不注意、多動性・衝動性の症状群を理解し、それぞれ具体的な行動例を把握しておくことが重要です。発達障害の種類と主な特徴(ADHD、ASD、LDの核となる症状)を理解し、学童期のADHDの症状の具体例(学業面、行動面、対人関係面)を把握します。さらに、他の精神疾患の主要な症状(選択的緘黙、強迫性障害、知的障害、書字障害など)との鑑別も必要です。