Parkinson病の治療薬はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
パーキンソン病は、脳内の黒質におけるドーパミン産生ニューロンの変性・脱落により、ドーパミンが不足することで発症します。L-ドーパ(レボドーパ)は、脳内でドーパミンに変換される前駆物質であり、ドーパミンを補充することでパーキンソン病の主要な症状(振戦、固縮、無動、姿勢反射障害など)を改善させる中心的な治療薬です。
選択肢ごとの解説
- 1. β遮断薬は主に高血圧や狭心症、不整脈などの循環器疾患や、一部の震え(本態性振戦など)に用いられますが、パーキンソン病の根本治療薬ではありません。パーキンソン病の症状の一部である振戦に対して対症的に使用されることもありますが、治療の中心ではありません。正しくは:β遮断薬は高血圧や心疾患、本態性振戦などに使用されます。選びやすい理由:パーキンソン病の症状である振戦を抑える薬として、一部の学生が選択肢として考慮する可能性があります。混同注意:本態性振戦の治療薬とパーキンソン病の治療薬を混同する可能性があります。パーキンソン病の振戦はドーパミン補充療法が中心であり、β遮断薬はあくまで補助的、あるいは一部の症状に対して検討されるにとどまります。
- 2. 正解。L-ドーパ(レボドーパ)は、パーキンソン病の主要な治療薬です。パーキンソン病では脳内のドーパミン神経細胞が減少し、ドーパミンが不足するため、その前駆体であるL-ドーパを投与することで、脳内でドーパミンに変換され、症状を改善します。
- 3. インスリンは、血糖値を下げるホルモンであり、主に糖尿病の治療に用いられます。パーキンソン病の治療とは直接関係ありません。正しくは:インスリンは糖尿病の治療に用いられます。選びやすい理由:全く異なる疾患の薬であるため、通常は選びにくい選択肢です。混同注意:インスリンとL-ドーパを混同することは稀ですが、疾患と薬剤の基本的な知識が不足している場合に誤答する可能性があります。
- 4. カルシウム拮抗薬は、主に高血圧や狭心症、不整脈などの循環器疾患の治療に用いられます。血管を拡張させたり、心臓の働きを調整したりする薬であり、パーキンソン病の治療薬ではありません。正しくは:カルシウム拮抗薬は高血圧や狭心症などに使用されます。選びやすい理由:他の疾患の薬であるため、通常は選びにくい選択肢です。混同注意:血管拡張作用などがあるため、一部の脳血管性疾患の治療薬との関連で混同する可能性もゼロではありませんが、パーキンソン病とは直接関係ありません。
- 5. ペニシリン系抗菌薬は、細菌感染症の治療に用いられる抗生物質です。パーキンソン病は神経変性疾患であり、細菌感染とは異なるため、この薬剤はパーキンソン病の治療薬ではありません。正しくは:ペニシリン系抗菌薬は細菌感染症の治療に用いられます。選びやすい理由:全く異なる種類の疾患の薬であるため、通常は選びにくい選択肢です。混同注意:抗生物質と神経疾患治療薬を混同することは稀ですが、薬の基本的な分類が不明瞭な場合に誤答する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、主要な疾患とその代表的な治療薬の組み合わせに関する基本的な知識を問うものです。特にパーキンソン病においては、その病態生理(ドーパミン不足)と、それを補うL-ドーパが極めて重要であることを理解しているかが問われます。他の選択肢は、それぞれ全く異なる疾患群の治療薬であり、基本的な薬理学の知識があれば容易に識別できます。
混同注意
パーキンソン病の症状である振戦(震え)に対する薬として、本態性振戦などで使われるβ遮断薬と混同する可能性がありますが、L-ドーパは病態の根幹を治療する主要薬である点が異なります。ドーパミンアゴニスト、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬などもパーキンソン病治療薬ですが、この問題ではL-ドーパが最も代表的な選択肢として挙げられています。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合は、L-ドーパ以外のパーキンソン病治療薬(例: ドーパミンアゴニスト、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬)の作用機序や副作用、あるいはL-ドーパの長期投与に伴う合併症(例: ジスキネジア、ウェアリングオフ現象)について問われる可能性があります。また、パーキンソン病の症状緩和に用いられる補助的な薬物(例: 抗コリン薬)についても知識が必要です。
関連知識
パーキンソン病の主要な症状(振戦、固縮、無動、姿勢反射障害)とそのメカニズム、L-ドーパの副作用(ウェアリングオフ現象、オンオフ現象、ジスキネジアなど)、ドーパミンアゴニスト、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬といった他のパーキンソン病治療薬の作用機序と役割。また、各選択肢の薬剤がどのような疾患に用いられるかの基本的な薬理学知識。