リンパ浮腫で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
リンパ浮腫は、リンパ液の停滞により組織間のタンパク質濃度が高まり、免疫機能が低下するため、細菌感染(特に蜂窩織炎)を非常に起こしやすくなります。一度感染すると再発を繰り返すことが多く、浮腫の悪化要因にもなります。
選択肢ごとの解説
- 1. リンパ浮腫は主に四肢に発生する局所的な浮腫であり、腹水の合併は一般的ではありません。腹水は肝疾患や心不全など全身性の病態で生じることが多いです。正しくは:リンパ浮腫の一般的な症状として腹水は挙げられません。選びやすい理由:浮腫という言葉から全身性の浮腫を連想し、腹水もその一部と誤解する可能性があります。混同注意:全身性浮腫(心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫など)とリンパ浮腫(局所性浮腫)の病態の違い。
- 2. リンパ浮腫は組織間液中の高分子タンパク質の貯留が原因であるため、利尿薬は効果が乏しいか、むしろ脱水を引き起こし病態を悪化させる可能性があります。治療の中心は複合的理学療法です。正しくは:リンパ浮腫の治療では利尿薬はほとんど効果がなく、推奨されません。選びやすい理由:一般的な浮腫の治療薬として利尿薬が知られているため、リンパ浮腫にも有効だと誤解しやすいです。混同注意:腎性浮腫や心性浮腫など、体液貯留が主な原因の浮腫と、リンパ液の貯留(高タンパク性)が主な原因のリンパ浮腫の治療法の違い。
- 3. 正解。リンパ浮腫の患部はリンパ流が滞り、免疫機能が低下しているため、細菌感染(蜂窩織炎など)を起こしやすく、再発を繰り返す傾向があります。感染は浮腫をさらに悪化させる要因にもなります。
- 4. リンパ浮腫の皮膚硬化(線維化)は、浮腫が慢性化し、組織間にタンパク質や細胞外マトリックスが長期にわたり貯留することで生じます。発症初期には通常見られず、時間の経過とともに進行する症状です。正しくは:皮膚の硬化は、リンパ浮腫が慢性化して進行した段階で生じます。選びやすい理由:リンパ浮腫の代表的な症状として皮膚硬化が挙げられるため、初期から生じると錯覚しやすいです。混同注意:リンパ浮腫の初期症状(軽度のむくみ)と進行期症状(皮膚の肥厚、硬化、象皮病)の区別。
- 5. リンパ浮腫と肺血栓塞栓症の間には直接的な因果関係は一般的ではありません。肺血栓塞栓症の主な原因は深部静脈血栓症であり、リンパ浮腫はリンパ系の問題です。正しくは:リンパ浮腫は肺血栓塞栓症の直接的な原因とはなりません。選びやすい理由:下肢の病態であることや、血流・体液循環の異常に関連する問題であることから、血栓症との関連を誤って考えてしまう可能性があります。混同注意:静脈血栓症(静脈系の問題)とリンパ浮腫(リンパ系の問題)の病態。
国試ポイント
リンパ浮腫の病態生理、特に合併症や一般的な治療に対する知識が問われています。リンパ浮腫特有の症状と、他の種類の浮腫との鑑別点が重要です。
混同注意
一般的な浮腫(心性、腎性、肝性)の症状や治療法と混同しやすい。特に利尿薬の適応や皮膚硬化の進行度合いなど。
次に同じ論点が出たら
リンパ浮腫の治療介入として適切なものはどれか、や、リンパ浮腫の病期に応じた症状変化について問われる可能性があります。
関連知識
リンパ浮腫の病期分類、複合的理学療法(用手的リンパドレナージ、圧迫療法、スキンケア、運動療法)、蜂窩織炎の予防と治療、リンパシンチグラフィなどの診断法。