呼吸器疾患で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
気管支喘息は、気道の慢性炎症と可逆性の気道狭窄を特徴とする疾患です。発作時には気道平滑筋の収縮、粘膜浮腫、気道分泌物の増加により気道が狭くなり、空気をスムーズに吐き出すことができなくなります。その結果、1秒間に吐き出せる空気の量である1秒量(FEV1)が低下し、それに伴い1秒率(FEV1/FVC)も低下します。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺線維症は、肺組織が硬くなることで肺が十分に拡張できなくなる拘束性肺疾患です。正しくは:肺線維症は拘束性肺疾患である。選びやすい理由:肺機能検査の異常を見る際に、閉塞性と拘束性の区別が曖昧な場合に選びやすい。混同注意:閉塞性肺疾患(COPD、気管支喘息など)と拘束性肺疾患(肺線維症、間質性肺炎など)の基本的な分類。
- 2. 気管支拡張症は、気管支が慢性的に拡張し、粘液が貯留しやすくなるため、多量の痰を伴う湿性咳嗽が特徴的です。正しくは:気管支拡張症では湿性咳嗽がみられる。選びやすい理由:咳と聞くと乾性咳嗽を連想しがち。また、痰を伴わない咳の疾患も多いため。混同注意:湿性咳嗽(痰を伴う咳)と乾性咳嗽(痰を伴わない咳)の鑑別。特に感染や炎症を伴う疾患では湿性咳嗽が多い。
- 3. 正解。気管支喘息の発作時は気道が狭窄するため、呼気抵抗が増大し、1秒間に吐き出せる空気の量(1秒量)が著しく低下します。これにより1秒率(1秒量/努力性肺活量)も低下します。正しくは:正答のため修正不要。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、他の選択肢の内容と比較して適切と判断される。混同注意:気管支喘息の病態生理と肺機能検査の指標(1秒量、努力性肺活量、1秒率など)との関連性。
- 4. 過換気症候群では、過剰な呼吸によって体内の二酸化炭素(CO2)が過度に排出され、血液中のCO2濃度が低下するため、呼吸性アルカローシスを引き起こします。正しくは:過換気症候群では呼吸性アルカローシスになる。選びやすい理由:呼吸器系の病態と血液ガス分析(アシドーシス、アルカローシス)の関連性が複雑に感じられ、誤った選択肢を選びやすい。混同注意:呼吸性アシドーシス(CO2貯留)と呼吸性アルカローシス(CO2過排出)の病態生理。
- 5. CO2ナルコーシスは、慢性的な呼吸不全患者などで換気機能が低下し、血液中の二酸化炭素(CO2)濃度が異常に高くなることで意識障害などが生じる病態です。正しくは:COナルコーシスは高CO血症によって生じる。選びやすい理由:「低」と「高」の読み間違いや、酸素と二酸化炭素の混同。ナルコーシスという言葉の響きから、血中濃度が低いことによるものと誤解しやすい。混同注意:低酸素血症と高CO2血症の区別、およびそれぞれの状態が引き起こす症状(例:低酸素血症による呼吸促進と高CO2血症による呼吸抑制・意識障害)。
国試ポイント
呼吸器疾患の基本的な病態生理、分類、症状、および肺機能検査の主要な指標に関する知識が問われています。特に、閉塞性肺疾患と拘束性肺疾患の鑑別、各種疾患に特徴的な症状、そしてアシドーシス・アルカローシスの概念理解が重要です。
混同注意
閉塞性肺疾患と拘束性肺疾患の分類、乾性咳嗽と湿性咳嗽の鑑別、呼吸性アシドーシスと呼吸性アルカローシス、低CO2血症と高CO2血症。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、各呼吸器疾患の主要な症状・検査所見・病態生理、閉塞性/拘束性の分類、および血液ガス分析におけるアシドーシス/アルカローシスの原因と影響について、正確に理解しているかを問われる可能性が高い。
関連知識
肺機能検査(スパイロメトリー)の各指標の意味(FVC, FEV1, FEV1/FVCなど)、動脈血ガス分析の基本(pH, PaCO2, PaO2, HCO3-など)、主な呼吸器疾患の病態(COPD, 間質性肺炎, 肺炎, 肺結核など)。