幻覚の精神症状評価を含む尺度はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
BPRS(簡易精神症状評価尺度)とPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)は、いずれも幻覚を含む精神症状を評価するための主要な尺度です。BPRSは幅広い精神症状を簡便に評価するのに対し、PANSSは統合失調症の症状をより詳細に評価することに特化しており、幻覚は両者にとって重要な評価項目です。CDR、FAST、LASMIは主に認知症の重症度や認知機能を評価する尺度であり、幻覚の直接的な評価項目は含まれていません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。BPRS(Brief Psychiatric Rating Scale:簡易精神症状評価尺度)は、幻覚を含む幅広い精神症状(思考障害、不穏、妄想、不安、感情鈍麻など)を評価するために使用されます。幻覚の項目が明確に設けられています。
- 2. CDR(Clinical Dementia Rating:認知症の臨床的重症度判定尺度)は、認知症の重症度を評価するための尺度であり、記憶、見当識、判断・問題解決、社会活動、家庭生活・趣味、身辺介護の6つの領域で評価します。幻覚の評価は主目的ではありません。正しくは:CDRは認知症の重症度を評価する尺度であり、幻覚の評価は直接的な項目ではありません。選びやすい理由:認知症患者に幻覚が見られることはありますが、CDR自体が幻覚を直接評価する尺度ではないため誤りです。混同注意:認知症と幻覚の関係性、精神科領域で使われる尺度であること
- 3. FAST(Functional Assessment Staging:認知症の機能的重症度評価尺度)は、認知症の進行段階を機能的能力の側面から評価する尺度です。日常活動の自立度を評価するものであり、幻覚の有無を直接評価する項目は含まれていません。正しくは:FASTは認知症の機能的な進行度を評価する尺度であり、幻覚の評価項目はありません。選びやすい理由:認知症の進行に伴い幻覚が出現することもありますが、FASTはその機能的側面を評価するため、幻覚の直接的な評価項目はありません。混同注意:認知症と幻覚の関係性
- 4. LASMI(長谷川式簡易知能評価スケール:Hasegawa Dementia Scale-Revised)は、認知症のスクリーニング検査として用いられるもので、記憶、見当識、計算などの認知機能を評価します。幻覚の有無や程度を評価する項目は含まれていません。正しくは:LASMIは認知機能のスクリーニング検査であり、幻覚の評価は含まれていません。選びやすい理由:精神科や高齢者医療で頻繁に使われる尺度であるため、知識が曖昧だと誤って選択する可能性があります。混同注意:LASMIが認知症のスクリーニングツールであること
- 5. 正解。PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale:陽性・陰性症状評価尺度)は、統合失調症の症状評価に特化しており、陽性症状(幻覚、妄想、思考障害など)、陰性症状(感情の平板化、意欲低下など)、および一般精神病理の3つの下位尺度で構成されています。幻覚は陽性症状の主要項目の一つとして詳細に評価されます。
国試ポイント
精神科領域で使用される代表的な評価尺度の目的と内容を正確に理解しているかが問われる問題です。特に、精神症状を直接評価する尺度と、認知機能や認知症の重症度を評価する尺度との区別が重要です。
混同注意
認知症患者にも幻覚が出現することがあるため、認知症の評価尺度(CDR, FAST, LASMI)も幻覚を評価するものと誤解しやすい。しかし、これらの尺度は認知機能や生活機能の評価が主目的であり、幻覚の有無や程度を直接的かつ詳細に評価する項目は含まれていません。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各尺度の対象疾患、評価項目、評価目的を正確に把握しているかを確認する。特に「〜症状」を評価する尺度と「〜機能」や「〜疾患の重症度」を評価する尺度の違いを問う問題が多い。
関連知識
その他、幻覚を含む精神症状を評価する尺度として、CGI(Clinical Global Impression:臨床全般印象尺度)、SANS(Scale for the Assessment of Negative Symptoms:陰性症状評価尺度)、SAPS(Scale for the Assessment of Positive Symptoms:陽性症状評価尺度)などがある。また、特定の疾患に特化した評価尺度も多数存在する。