72歳の男性。脳血管障害による左片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅴ。回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。病室ではベッドから起き上がり、端座位は可能である。車椅子からベッドへの移乗動作は自力でできるが、ベッドから車椅子への移乗動作は触れる程度の最小介助が必要である。 この患者の移乗動作のFIMの採点で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
FIMの移乗(ベッド・椅子・車椅子)は、往復の両方向を評価し、点数が異なる場合は低い方で採点します。この患者は車椅子からベッドへの移乗は自力でできますが、ベッドから車椅子への移乗は触れる程度の最小介助が必要です。最小介助(患者が75%以上を行う)は4点にあたるため、移乗動作の採点は4点です(公式正答4)。
選択肢ごとの解説
- 1. 7点は完全自立です。ベッドから車椅子への移乗に介助が必要なため、該当しません。正しくは:往復のうち低い方(最小介助=4点)で採点します。選びやすい理由:車椅子からベッドへの移乗が自力でできることから選びやすい選択肢です。混同注意:FIMの移乗の採点ルール
- 2. 6点は補助具の使用や時間がかかるが介助は不要な修正自立です。介助が必要なため該当しません。正しくは:往復のうち低い方(最小介助=4点)で採点します。選びやすい理由:自力でできる方向に注目すると選びやすい選択肢です。混同注意:修正自立と最小介助
- 3. 5点は監視・準備で、身体に触れる介助はありません。触れる程度の介助は最小介助(4点)です。正しくは:身体に触れる介助は4点以下になります。選びやすい理由:介助量が少ないため選びやすい選択肢です。混同注意:監視・準備と最小介助
- 4. 正解。ベッドから車椅子への移乗に触れる程度の最小介助が必要で、往復のうち低い方の4点で採点します(公式正答)。
- 5. 3点は中等度介助(患者が50%以上75%未満を行う)で、触れる程度の介助より介助量が多い状態です。正しくは:触れる程度の介助は最小介助(4点)です。選びやすい理由:介助が必要という点から選ぶことがあります。混同注意:最小介助と中等度介助
国試ポイント
FIMの移乗の採点ルール(往復の両方向を評価し、低い方で採点)と、最小介助=4点を理解しているかが問われています。
混同注意
自力でできる方向(車椅子→ベッド)で採点してしまう誤りに注意します。触れる程度の介助は「監視・準備(5点)」ではなく「最小介助(4点)」です。
次に同じ論点が出たら
ベッドから車椅子への移乗が自立するように、車椅子の位置や立ち上がり方を指導する(問8)。
関連知識
FIMの運動項目の採点:7 完全自立、6 修正自立、5 監視・準備、4 最小介助(75%以上を自分で行う)、3 中等度介助(50%以上)、2 最大介助(25%以上)、1 全介助。