Ⅰ型アレルギーに関与する抗体はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
I型アレルギーは、即時型アレルギーとも呼ばれ、アレルゲンに特異的なIgE抗体が肥満細胞や好塩基球の表面にあるFcε受容体に結合し、再びアレルゲンが侵入することで架橋形成され、細胞からヒスタミンなどの生理活性物質が放出されることで発症します。このため、IgEがI型アレルギーに最も深く関与する抗体となります。
選択肢ごとの解説
- 1. IgAは主に粘膜免疫に関与し、唾液、涙、母乳、消化管分泌液などに多く含まれる抗体です。I型アレルギーには直接関与しません。正しくは:IgAは主に粘膜免疫を担い、病原体の侵入を防ぎます。選びやすい理由:免疫グロブリンの一種であり、体液中に多く存在するため、何らかの免疫反応に関わると推測されやすいです。混同注意:他の種類の免疫反応や抗体全体の機能と混同する可能性があります。
- 2. IgDはB細胞の表面に存在し、B細胞の活性化に関わるとされていますが、その機能は完全には解明されておらず、I型アレルギーには直接関与しません。血中濃度も低い抗体です。正しくは:IgDは主にB細胞の抗原受容体として機能し、B細胞の活性化を補助します。選びやすい理由:免疫グロブリンの一種であるため、役割があると見なされがちです。混同注意:B細胞の活性化メカニズムや、他の免疫グロブリンの役割と混同する可能性があります。
- 3. 正解。IgE抗体は肥満細胞や好塩基球の表面にあるFcε受容体に結合し、アレルゲンがIgEに結合すると、これらの細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、I型アレルギー(即時型アレルギー)反応を引き起こします。
- 4. IgGは血中に最も多く存在する抗体で、細菌やウイルスなどに対する防御、胎盤通過による胎児免疫、ADCC(抗体依存性細胞傷害)など、幅広い免疫機能に関与しますが、I型アレルギーの主要な関与抗体ではありません。正しくは:IgGは主要な二次応答抗体であり、全身の感染防御や胎児への移行に重要です。選びやすい理由:最も豊富に存在する抗体であるため、主要な免疫反応には関与すると考えられやすいです。混同注意:II型アレルギー(細胞傷害型)やIII型アレルギー(免疫複合体型)と混同する可能性があります。これらにはIgGが関与します。
- 5. IgMは初期免疫応答(一次応答)で最初に産生される抗体で、主に補体の活性化や凝集反応に関与します。I型アレルギーの主要な関与抗体ではありません。正しくは:IgMは一次応答で最初に産生され、強力な補体活性化作用を持ちます。選びやすい理由:免疫反応の初期段階に重要な役割を果たすため、何らかのアレルギー反応にも関与すると考えられやすいです。混同注意:一次応答や補体経路の活性化と混同する可能性があります。
国試ポイント
国家試験では、各免疫グロブリン(抗体)の主な機能と、それぞれが関与する過敏症の種類を正確に理解しているかが問われます。特にI型アレルギーとIgEの関連性は頻出であり、その機序や関与する細胞(肥満細胞、好塩基球)についても把握しておく必要があります。
混同注意
他の過敏症型(II型、III型、IV型)と、それぞれに関与する主要な抗体や細胞(例: II型、III型はIgG、IgMが関与。IV型はT細胞が関与)が混同されやすい点です。また、各免疫グロブリンの一般的な役割(例: IgGの胎盤通過、IgAの粘膜免疫、IgMの初期応答)も整理して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、IgEが関与するI型アレルギーの具体的な症状や疾患、またはI型アレルギーの治療薬(抗ヒスタミン薬、抗IgE抗体など)の作用機序について問われる可能性があります。また、アレルギー検査で何が測定されるか(血中特異的IgE抗体価など)も確認しておきましょう。
関連知識
免疫グロブリンの種類と機能、そして各過敏症の分類(I〜IV型)、それぞれの発症機序、関与する免疫細胞やメディエーター(化学伝達物質)について網羅的に学習しておくことが重要です。I型アレルギーの例として、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、じんましん、アナフィラキシーショックなどがあります。