終末期がん患者が死を迎える際に経験する5段階の心理過程で、第3段階にあたるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
キューブラー・ロスが提唱した死の受容の5段階は、患者が自身の死を受け入れるまでに経験する心理的なプロセスを体系化したものです。その順序は「1.否認」「2.怒り」「3.取り引き」「4.抑うつ」「5.受容」となります。したがって、第3段階は「取り引き」が正解です。この段階では、患者は死の現実を把握し始め、何らかの条件と引き換えに延命や苦痛の軽減を願う心理状態にあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 死の受容の5段階における第2段階であり、第3段階ではありません。正しくは:この段階は死の宣告に対する憤りや不公平感を感じる時期です。選びやすい理由:否認の次に起こる感情変化として、怒りは比較的理解しやすい感情であるため、選択肢として魅力的です。混同注意:否認の次の段階として怒りが来ることは正しいですが、問題が第3段階を問うているため、順序を正確に把握していないと間違える可能性があります。
- 2. 死の受容の5段階における第5段階であり、最終段階にあたります。正しくは:死の現実を受け入れ、落ち着きと平和が訪れる段階です。選びやすい理由:「死の受容」というテーマから、最終目標である受容を選択肢として選んでしまいがちです。混同注意:最終段階の概念と混同しやすいです。
- 3. 死の受容の5段階における第1段階であり、「そんなはずはない」と現実を認めようとしない時期です。正しくは:診断の衝撃を受け、現実を一時的に拒絶する段階です。選びやすい理由:死の受容のプロセスの始まりとして最も印象深い段階であるため、選択しやすいかもしれません。混同注意:最初の段階であることと、問題が第3段階を問うていることの混同が見られます。
- 4. 死の受容の5段階における第4段階であり、避けられない死を前にした深い悲しみや絶望を感じる時期です。正しくは:過去の喪失や未来の喪失に対する悲嘆、無力感を覚える段階です。選びやすい理由:死という重いテーマにおいて、抑うつは避けられない感情であると直感的に考えがちです。混同注意:「怒り」や「取り引き」の後の段階として理解しているものの、正確な順序が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。
- 5. 正解。エリザベス・キューブラー・ロスが提唱した死の受容の5段階(否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容)において、第3段階は「取り引き」にあたります。患者はこの段階で、死の宣告という現実を認識しつつも、延命や苦痛の緩和、あるいは特定の目標達成などを神や運命、医療関係者と交渉しようとします。
国試ポイント
キューブラー・ロスの死の受容の5段階は、その名称と順序、および各段階の心理状態を正確に理解しておくことが重要です。国家試験では、今回のように特定の段階を問う問題や、各段階の特徴的な感情や行動を問う問題が頻出します。単に名称を覚えるだけでなく、具体的な事例と結びつけて理解を深めることが求められます。
混同注意
各段階の具体的な心理状態や出現順序を混同しやすいです。特に、「怒り」と「取り引き」や「抑うつ」の順序は曖昧になりがちであり、混乱しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
もし次回、同様の問題が出題されたら、まずキューブラー・ロスの死の受容の5段階の名称と順序を全て正確に思い出せるかを確認しましょう。さらに、各段階でどのような感情や行動が特徴的であるかを深く理解しているか自己評価することも大切です。特に、類似した感情(例:怒りと抑うつ)の段階的な違いを明確に区別できるように学習しておくと良いでしょう。
関連知識
キューブラー・ロスのモデルは、終末期医療や緩和ケアにおける患者や家族への心理的支援の基礎となります。ただし、これらの段階は全ての人に同じ順序で、また必ずしも明確に区切られて現れるわけではなく、個人の性格、文化、病状などによって大きく異なることも理解しておく必要があります。医療従事者は、このモデルを参考にしつつも、個々の患者の状況に応じた柔軟な対応が求められます。