高次脳機能検査の一部を図に示す。このような図版が含まれるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
提示された図版は「動物園地図」であり、この地図を用いて患者に特定の経路を計画させる課題は、遂行機能評価バッテリー(BADS)のサブテストの一つである「地図検索課題」に該当します。この課題は、目標志向的な行動計画能力や問題解決能力を評価するために用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。提示された「動物園地図」を用いた課題は、遂行機能評価バッテリー(BADS)のサブテストの一つである「地図検索課題」に該当します。これは、計画立案や問題解決といった遂行機能を評価するものです。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、他の選択肢と混同しやすいですが、BADSの具体的な内容を理解していれば正確に判断できます。混同注意:他の高次脳機能検査全般。特に遂行機能を評価する他の検査(FABなど)と混同する可能性があります。
- 2. BIT(Behavioral Inattention Test)は、半側空間無視の評価に特化した検査バッテリーです。線分二等分線課題や抹消課題、模写課題などが含まれ、地図検索課題のような遂行機能の評価は行いません。正しくは:BITは半側空間無視の評価バッテリーであり、提示された地図検索課題とは目的が異なります。選びやすい理由:高次脳機能検査の一つとして知られているため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:BADSやFABなど、他の高次脳機能検査。特に、視空間認知に関わる検査と混同しやすい可能性があります。
- 3. FAB(Frontal Assessment Battery)は、前頭葉機能、特に遂行機能を簡便に評価するための検査ですが、提示された図版のような地図検索課題はFABの構成要素には含まれません。FABは口頭による概念化、言語流暢性、運動系列など6つの項目で構成されます。正しくは:FABは前頭葉機能を簡便に評価する検査ですが、地図検索課題は含まれません。選びやすい理由:FABも遂行機能を評価する検査であるため、混同しやすいです。しかし、FABは比較的簡便な口頭課題が中心です。混同注意:BADS。どちらも遂行機能を評価しますが、BADSの方がより詳細で多様な課題を含みます。
- 4. SLTA(標準失語症検査)は、失語症の有無やタイプ、重症度を評価するための検査バッテリーです。聴覚理解、発話、読字、書字など言語機能の様々な側面を評価するものであり、地図検索課題は含まれません。正しくは:SLTAは失語症の評価検査であり、提示された地図検索課題とは目的が異なります。選びやすい理由:高次脳機能検査の一つとして知られていますが、専門分野が異なります。混同注意:WAIS-ⅣやBADSなど、言語機能以外の高次脳機能検査。
- 5. WAIS-Ⅳ(Wechsler Adult Intelligence Scale-Fourth Edition)は、成人の全般的認知能力(知能指数)を評価するための検査です。言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの主要指標で構成され、地図検索課題のような特定の遂行機能課題は含まれません。正しくは:WAIS-Ⅳは知能検査であり、提示された地図検索課題のような特定の遂行機能評価は行いません。選びやすい理由:代表的な高次脳機能検査の一つであるため、知識が曖昧な場合に選びやすいかもしれません。混同注意:他の認知機能検査全般。特に、個別の認知機能(遂行機能など)を評価する検査と混同しやすいです。
国試ポイント
高次脳機能検査の名称と評価内容を正確に理解すること。特に、各検査が評価する機能(遂行機能、注意、記憶、半側空間無視など)と代表的な課題を関連付けて覚える。
混同注意
各高次脳機能検査はそれぞれ特有の評価対象と課題を持つため、名称と内容を混同しないよう注意が必要です。特に、遂行機能と注意機能、記憶機能の区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の図版が出題された場合は、その課題がどのような認知機能を評価しようとしているかをまず考えます。この「動物園地図」のように、複雑な経路探索や計画を要する課題は遂行機能の評価と判断できます。次に、選択肢の中から遂行機能検査に該当するものを特定し、その検査の具体的なサブテストと照合して判断します。
関連知識
BADSは、遂行機能障害を評価するために開発されたバッテリーで、6つのサブテスト(ルール推論、行為計画、注意の切り替え、反応抑制、地図検索、課題修正)と質問紙から構成されます。各サブテストは異なる側面から遂行機能を評価し、全体的な遂行機能プロファイルを把握します。