精神科リハビリテーション活動の説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ACT(Assertive Community Treatment)は、重度の精神障害を持つ人々が地域社会で安定した生活を送るための包括的かつ集中的なアウトリーチ型支援プログラムです。多職種チームが利用者の自宅や地域に出向いて、治療、リハビリテーション、ケースマネジメントなどを提供し、生活の質の向上を目指します。選択肢1の記述は、このACTの核心的な目的と特性を正確に表しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ACTは、重症精神疾患患者が地域社会で自立した生活を送ることを目指し、多職種チームが包括的かつ集中的な訪問支援を提供するモデルです。この説明はACTの主要な目的と特性を正確に捉えています。
- 2. SSTは生活技能の向上を目指す点で正しいですが、実施場所は病院内に限定されません。むしろ地域生活で役立つ対人関係や日常生活のスキル向上を目的として、入院・外来・地域など様々な場面で実施されます。正しくは:SST(Social Skills Training)は、対人関係や日常生活に必要な社会技能の向上を目指し、地域生活での適応を促進するために、入院・外来・地域など多様な場面で実施されます。選びやすい理由:SSTが生活技能の向上を目指すという点は正しいので、部分的な正しさに引きずられてしまう可能性があります。混同注意:入院中に行われるリハビリテーションと、地域生活を見据えたリハビリテーションの区別が曖昧な場合、誤って選んでしまう可能性があります。
- 3. 認知リハビリテーションは、個人セッションと集団セッションの両方で実施可能です。個別のニーズに合わせた介入と、集団での相互作用を通じた学習の両方に効果が期待できます。集団での実施を避ける必要はありません。正しくは:認知リハビリテーションは、個別のニーズに応じた対応と、集団での相互作用を通じた学習の機会を提供するために、個別形式と集団形式の双方で実施されます。選びやすい理由:個別ケアの方がよりパーソナルな対応が可能というイメージから、集団を避けるべきだと考えてしまうかもしれません。混同注意:リハビリテーションにおける個別介入と集団介入の役割や効果の違いについて、理解が不足していると誤解しやすいです。
- 4. ケアマネジメントは、利用者本人の意向を最も尊重し、ニーズに基づいてサービスを調整するプロセスです。支援機関が中心となるのではなく、利用者中心のアプローチが基本です。正しくは:ケアマネジメントは、利用者の意向やニーズを最優先に、様々な支援機関やサービスを調整し、包括的な支援計画を作成・実施するプロセスです。選びやすい理由:実際にサービス提供は機関が行うため、機関が中心であるという誤解が生じやすいです。混同注意:サービス提供者側の視点と、利用者中心の視点との違いが明確でない場合に混同しやすいです。
- 5. 心理教育は、利用者とその家族などが精神疾患について理解を深め、主体的に対処できるよう支援することを目的としています。援助者と被援助者という一方的な関係ではなく、協働的な関係を重視し、共に学び、問題解決を図るアプローチです。正しくは:心理教育は、利用者とその家族などが精神疾患について正しく理解し、主体的な対処能力を高めることを目指し、援助者と被援助者が協働的な関係の中で実施されます。選びやすい理由:「治療関係」という言葉から、医師と患者のような明確な役割分担があると考えてしまいやすいです。混同注意:一般的な医療モデルにおける治療関係と、心理教育における協働的・エンパワメント的な関係との違いが不明確な場合に誤解しやすいです。
国試ポイント
精神科リハビリテーションにおける主要な支援プログラム(ACT, SST, 認知リハビリテーション, ケアマネジメント, 心理教育など)の定義、目的、対象、実施形態について正確に理解しているかが問われています。特に、各プログラムの核となる特性を捉えられているかが重要です。
混同注意
各プログラムの名称と具体的な内容が曖昧になりやすい。特にSSTの実施場所の広範さや、ケアマネジメントの利用者中心性、心理教育の協働的側面など、細部の理解が問われるため、表面的な知識では誤答しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の精神科リハビリテーションプログラム(例:WRAP、ピアサポートなど)についても、その定義、対象、目的、具体的な内容を正確に把握できているかを確認する必要があります。また、各プログラムの連携や利用者中心の視点が問われる可能性もあります。
関連知識
地域精神医療の動向、脱施設化の推進、精神保健福祉法、障害者総合支援法、多職種連携の重要性、リカバリーの概念。