「持続性・安定性」の下位尺度が含まれる社会機能の評価法はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
LASMI(Life Assessment Scale for the Mentally Ill)は、精神疾患を持つ人の社会生活機能を評価するために開発された尺度で、その下位尺度の一つに「活動の持続性・安定性」が含まれています。これは、精神疾患患者が社会の中で活動を継続し、安定した状態を保つ能力を評価する項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. ESCROW Profileは、主として統合失調症患者の生活技能を評価するツールで、精神症状の側面を重視します。「持続性・安定性」といった直接的な下位尺度は含まれていません。正しくは:ESCROW Profileは、精神疾患患者の生活技能を評価するものであり、症状と関連した日常生活能力を測ります。選びやすい理由:精神科領域の評価尺度であるため、社会機能評価という点で選択肢として挙がりやすい。混同注意:他の精神科領域の社会機能評価尺度との混同。
- 2. GAFは、精神疾患を持つ人の心理的、社会的、職業的機能を全体的に評価する単一の尺度です。症状の重症度と機能の障害度を包括的に評価しますが、「持続性・安定性」のような特定の独立した下位尺度は持っていません。正しくは:GAFは、精神疾患の診断と統計マニュアルDSM-IVに採用されていた、精神症状と機能障害の総合評価尺度です。選びやすい理由:国際的に広く使われているため、社会機能評価法として知名度が高い。混同注意:他の総合的な精神機能評価尺度との混同。
- 3. 正解。LASMIは、精神疾患を持つ人の社会生活機能を多角的に評価する尺度であり、「活動の持続性・安定性」という明確な下位尺度が含まれています。これは、活動の持続性や安定性を通じて社会適応能力を評価します。正しくは:LASMIは、精神疾患患者の社会生活機能を評価するために開発された尺度で、「活動の持続性・安定性」のほか、「対人関係の円滑性」や「作業能力」などの下位尺度を含みます。選びやすい理由:具体的な下位尺度名が提示されているため、特徴を捉えやすい。混同注意:各評価尺度の具体的な下位尺度内容の知識が曖昧だと誤答する可能性がある。
- 4. Rehabは、精神科リハビリテーションの効果を評価するための尺度で、行動的な側面を評価します。具体的な社会生活機能の「持続性・安定性」といった下位尺度を直接的に持つものではありません。正しくは:Rehabは、入院精神病患者のリハビリテーション効果を評価するための尺度で、病棟内での行動観察に基づいて評価されます。選びやすい理由:リハビリテーションの効果を評価するツールであるため、社会機能回復と関連が深いと誤解しやすい。混同注意:他の精神科リハビリテーション評価尺度との混同。
- 5. SOFASは、精神症状とは無関係に、社会的・職業的機能の障害度を評価する尺度です。GAFと似ていますが、症状の重症度を考慮しない点が特徴です。こちらも「持続性・安定性」という特定の独立した下位尺度は持っていません。正しくは:SOFASは、DSM-IV付属の社会・職業機能評価尺度であり、症状による障害を除外し、純粋な機能レベルを評価します。選びやすい理由:GAFと同様に、広く知られた社会機能評価尺度であるため。混同注意:GAFとの違い(症状の有無を考慮するか否か)や、他の社会機能評価尺度との混同。
国試ポイント
精神科領域の主要な評価尺度の名称と、それが評価する具体的な内容(特に特徴的な下位尺度や評価の視点)を正確に理解しているかが問われる問題です。各評価尺度の目的と構成を知っていることが重要となります。
混同注意
精神科領域の社会機能評価尺度は多数存在し、それぞれが似たような目的を持っていても、評価項目や焦点が異なります。GAFとSOFAS、ESCROW Profileなど、名称だけではなく、その内容を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、各評価尺度の『開発目的』、『対象疾患』、『評価形式(自己記入式か観察式か)』、そして『特徴的な下位尺度や評価軸』に注目して学習を進めるべきです。特に、その尺度が『何を特に重視して測っているか』が問われる傾向にあります。
関連知識
精神科作業療法における社会生活技能訓練(SST)の効果測定や、地域生活支援におけるアセスメントで用いられる評価尺度は多岐にわたります。具体的には、QOL尺度(SF-36, WHOQOL-26)、社会機能障害尺度(SDI)、作業遂行と満足度評価(COPM)なども関連知識として押さえておくべきです。