認知症のBPSD〈behavioral and psychological symptoms of dementia〉はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
BPSD(行動・心理症状)は、認知症の主要な症状である記憶障害やその他の高次脳機能障害(中核症状)によって引き起こされる、二次的な行動や心理的変化を指します。具体的には、興奮、暴力、幻覚、妄想、うつ、不安、無関心、徘徊、睡眠障害、異食などが含まれます。選択肢の中で「徘徊」は、これらのBPSDの典型的な行動症状です。失語、失認、記憶障害、判断力低下は、いずれも認知症の「中核症状」であり、BPSDとは区別されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 失語は、認知症の中核症状の一つである皮質機能障害(高次脳機能障害)に分類されます。BPSDは、これら中核症状によって引き起こされる二次的な行動や心理的な変化を指します。正しくは:失語はBPSDではなく、認知症の中核症状である高次脳機能障害の一つです。選びやすい理由:認知症でよく見られる症状であるため、BPSDと混同しやすいかもしれません。混同注意:中核症状とBPSD(周辺症状)
- 2. 失認もまた、認知症の中核症状である高次脳機能障害の一つです。BPSDは、認知機能の低下に起因する行動や心理的な現れを指します。正しくは:失認はBPSDではなく、認知症の中核症状である高次脳機能障害の一つです。選びやすい理由:認知症の代表的な症状であるため、BPSDの一部だと誤解しがちです。混同注意:中核症状とBPSD(周辺症状)
- 3. 正解。徘徊は、認知症の患者に見られる行動症状の一つであり、BPSD(行動・心理症状)の典型的な例です。これは中核症状(記憶障害など)によって引き起こされる二次的な問題行動と捉えられます。
- 4. 記憶障害は、認知症の最も主要な中核症状の一つであり、認知機能そのものの低下を指します。BPSDは、この記憶障害などの認知機能障害が原因となって生じる行動や心理的な問題です。正しくは:記憶障害はBPSDではなく、認知症の中核症状です。選びやすい理由:認知症の中心的な症状であるため、重要な症状として選択しやすいです。混同注意:中核症状とBPSD(周辺症状)
- 5. 判断力低下は、認知症の中核症状である実行機能障害の一部として分類されます。これは高次脳機能障害の一つであり、BPSDではありません。正しくは:判断力低下はBPSDではなく、認知症の中核症状である高次脳機能障害の一つです。選びやすい理由:認知症で非常に多く見られる症状であるため、BPSDと誤認する可能性があります。混同注意:中核症状とBPSD(周辺症状)
国試ポイント
認知症の症状を『中核症状』と『BPSD(行動・心理症状)』に明確に区別できるかどうかが問われる典型的な問題です。それぞれの症状がどちらに分類されるかを正確に理解している必要があります。
混同注意
認知症の『中核症状』と『BPSD(周辺症状/行動・心理症状)』の混同が狙われます。中核症状は脳の器質的変化に直接起因する認知機能の障害そのものを指し、BPSDはそれら中核症状から派生する行動や心理の変化です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、認知症の各症状が「中核症状」と「BPSD」のどちらに分類されるかを問う問題が想定されます。特に、具体的な症状名が提示され、その分類を問う形式が考えられます。また、BPSDの具体的な事例(例:夜間に頻繁に起き出して家の中を歩き回る)から、それがどのBPSDに該当するかを問う問題も考えられます。
関連知識
認知症のBPSDには、精神症状(幻覚、妄想、抑うつ、不安など)と行動症状(興奮、暴力、不穏、徘徊、弄便、不潔行為、睡眠覚醒リズム障害など)が含まれます。中核症状には、記憶障害、見当識障害、失語、失行、失認、実行機能障害などがあります。これらをそれぞれ区別して理解することが重要です。