神経症性障害患者の作業療法導入時の評価で最も重視すべきなのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
神経症性障害の患者は、特定の症状(不安、恐怖、強迫など)に苦しんでおり、その症状に対してどのように対処しているか(コーピングスキル)を評価することは、作業療法介入の初期段階で最も優先されます。これにより、患者の現在の状態と、症状が日常生活に与える影響を把握し、具体的な支援目標を設定することができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 就労関連技能の評価も重要ですが、導入期にはまず症状への対処法を確認し、安定を図ることが優先されます。正しくは:症状への対処方法の評価を優先し、安定後に就労関連技能を評価する。選びやすい理由:社会復帰を目指す上で重要な項目なので、すぐに評価すべきだと感じるかもしれない。混同注意:症状が安定し、具体的な社会参加を考える段階での評価項目と混同しやすい。
- 2. 神経症性障害ではADLに直接的な障害が生じることは比較的少なく、導入期にはより症状に特化した評価が求められます。ADL評価は基本的な情報ですが、最も重視すべき点ではありません。正しくは:神経症性障害ではADLは一般的に保たれていることが多いため、症状への対処方法を優先して評価する。選びやすい理由:作業療法の基本的な評価項目であるため、重要だと感じやすい。混同注意:身体機能障害を伴う患者の評価項目と混同しやすい。
- 3. 精神内界の評価は心理療法などで深く行われるもので、作業療法導入時の評価としては、より行動や具体的な対処法に焦点を当てるのが適切です。正しくは:患者の具体的な行動や症状への対処法に焦点を当てて評価する。選びやすい理由:神経症性障害が精神的な問題であるため、内面を深く探るべきだと考えるかもしれない。混同注意:精神科医や臨床心理士が行う詳細な心理査定と混同しやすい。
- 4. 神経症性障害は主に精神的な問題であり、身体の基本的な機能に直接的な障害が生じることは稀です。身体機能の評価は必要に応じて行いますが、最も重視すべき点ではありません。正しくは:神経症性障害は精神疾患であり、身体の基本的な機能は一般的に保たれているため、症状への対処方法の評価を優先する。選びやすい理由:作業療法が身体機能回復にも関わるため、基本的な評価項目として重要だと感じるかもしれない。混同注意:身体疾患や脳血管疾患などの患者の評価項目と混同しやすい。
- 5. 正解。神経症性障害の患者にとって、症状そのものへの向き合い方や、それに対してどのような対処行動を取っているか(または取れていないか)を理解することが、作業療法を導入する上で最も重要です。これにより、患者が抱える困難の本質を把握し、適切な介入計画を立てる基盤となります。
国試ポイント
神経症性障害患者の作業療法導入時に、他の一般的な評価項目(ADL、身体機能、就労技能など)よりも、疾患特性に直結する「症状への対処方法」の評価が最も重要である点を問う問題です。作業療法士は、疾患の本質を理解し、適切な評価の優先順位を判断する能力が求められます。
混同注意
精神疾患患者全般の評価と、神経症性障害に特化した評価の区別。特に、精神科領域で一般的に用いられるADLやQOL評価と、導入期に最も必要な評価との違い。
次に同じ論点が出たら
今後、他の精神疾患(例:統合失調症、うつ病)の導入時評価や、発達障害、高次脳機能障害など、異なる疾患群における作業療法導入時の評価の優先順位を問う問題が出題される可能性があります。各疾患の特性と作業療法の目的を結びつけて理解することが重要です。
関連知識
精神科領域の作業療法のプロセス、神経症性障害の症状と特徴、コーピングスキル(対処行動)の概念、作業療法における評価の優先順位付け。