標準予防策〈standard precautions〉について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
標準予防策(スタンダードプリコーション)は、感染症の診断が確定しているか否かにかかわらず、すべての患者の血液、体液、分泌物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜を感染源とみなして対応する考え方です。これにより、未知の感染源からの伝播リスクを低減することを目的としています。したがって、すべての患者の排泄物を感染性があるものとして取り扱うことは、この原則に合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 手洗いは石けんと流水で十分な時間(WHOのガイドラインでは40〜60秒)をかけて行います。7秒以内では不十分です。
- 2. 手袋を装着する前には、必ず手洗いまたは擦式アルコール製剤による手指消毒を行う必要があります。これは、手袋装着による交差汚染のリスクを低減するためです。正しくは:手袋を装着する前には、必ず手洗いまたは手指消毒を行う。選びやすい理由:手袋がバリアになるのだから、その前に洗う必要はないと考えてしまうかもしれません。混同注意:手袋が汚染源から手を守る機能と、手袋装着前の手指の清潔を保つことの区別。清潔手袋であれば手は汚れないという誤解。
- 3. 感染症患者の隔離は、標準予防策ではなく、感染経路別予防策(例:空気感染予防策、飛沫感染予防策、接触感染予防策)の一部です。標準予防策は、すべての患者に対して適用される基本的な感染対策です。正しくは:感染症の患者さんを個室に隔離することは、感染経路別予防策の一部である。選びやすい理由:感染対策全般の話として、隔離もその一部だと考えてしまう可能性があります。混同注意:標準予防策と感染経路別予防策の区別。感染対策の全体像と、その中の各要素の役割。
- 4. 標準予防策は、患者から医療従事者へ、医療従事者から患者へ、そして患者から患者へという、あらゆる経路での感染リスクを低減することを目的としています。特定の経路(患者同士の接触)に限定されたものではありません。正しくは:患者さんから医療従事者、医療従事者から患者さん、そして患者さん同士など、あらゆる経路での感染予防が目的である。選びやすい理由:患者間の感染予防も重要な側面ではあるため、これを主目的と誤認しやすいです。混同注意:標準予防策の広範な適用範囲と、特定の感染経路別予防策との混同。
- 5. 正解。標準予防策の核心は「すべての人の血液、体液、汗を除く分泌物、排泄物、損傷のある皮膚、粘膜は感染性があるものとみなして取り扱う」という考え方(Universal Precautionの概念に基づく)です。これにより、診断の有無にかかわらず一貫した感染対策が実施されます。正しくは:正しい選択肢のため修正不要。
国試ポイント
標準予防策(スタンダードプリコーション)の基本的な概念と、それが感染経路別予防策とどのように異なるかを正確に理解しているかが問われています。特に「すべての患者の」「汗を除く体液・分泌物・排泄物」が感染源となりうるという普遍的な考え方が重要です。
混同注意
標準予防策と感染経路別予防策(接触、飛沫、空気感染予防策)の範囲と適用条件。また、手指衛生や個人防護具の具体的な使用タイミングに関する誤解。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、標準予防策と感染経路別予防策の具体的な適用状況の区別、および各予防策における具体的な物品(PPEなど)や手順(手洗い時間、消毒方法)の知識が問われる可能性が高いです。
関連知識
感染経路別予防策(接触、飛沫、空気感染予防策)の具体的内容。個人防護具(PPE)の種類と適切な使用方法。手指衛生の5つのタイミング。