骨粗鬆症の原因で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
骨粗鬆症の主要な原因には、カルシウムやビタミンDの不足、ホルモンバランスの乱れ(閉経後の女性ホルモン低下、副甲状腺ホルモン過剰など)、特定の疾患(糖尿病、慢性腎臓病など)、薬物の影響、そして長期の安静臥床などがあります。ビタミンAは骨代謝にも関わりますが、その欠乏症が直接骨粗鬆症の主要な原因となることは稀であり、むしろ過剰摂取が骨密度の低下と関連することが指摘されています。選択肢4は、他の選択肢が骨粗鬆症の確立された危険因子であるのに対し、直接的な原因としては適切ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 長期の安静臥床は、骨への荷重刺激が減るため、骨吸収が進み骨形成が抑制され、骨粗鬆症を誘発する主要な原因となります。正しくは:長期の安静臥床は骨粗鬆症の原因となる。選びやすい理由:一見すると健康に良くない活動のように思えるが、骨粗鬆症との関連性が直接的でないと誤解する可能性がある。混同注意:活動的な生活習慣と混同し、安静状態が骨に与える影響を見落とす。
- 2. 胃切除後は、カルシウムやビタミンDの吸収が低下しやすくなるため、骨粗鬆症のリスクが高まります。正しくは:胃切除後は骨粗鬆症の原因となる。選びやすい理由:消化器系の問題が直接骨に影響すると考えにくいかもしれない。混同注意:栄養吸収障害が全身に与える影響について理解が不十分な場合、関連性を疑問視する可能性がある。
- 3. 糖尿病、特に2型糖尿病は、骨代謝に影響を与え、骨質の低下や骨折リスクの増加につながることが知られており、骨粗鬆症の危険因子の一つです。正しくは:真性糖尿病は骨粗鬆症の原因となる。選びやすい理由:血糖値の管理と骨密度の関連性が見えにくい場合、誤った選択肢として捉える可能性がある。混同注意:内分泌系の疾患でも、直接骨代謝に関わる疾患(例:甲状腺機能亢進症)との違いで混乱するかもしれない。
- 4. 正解。ビタミンAの過剰摂取は骨粗鬆症のリスクを高めることが示唆されていますが、ビタミンA欠乏症は直接的な骨粗鬆症の原因とはされません。骨形成や骨代謝に重要なのはビタミンDやKです。正しくは:ビタミンA欠乏症は骨粗鬆症の直接的な原因とはならない。むしろ過剰摂取が問題となる場合がある。選びやすい理由:ビタミンD欠乏症が骨粗鬆症の原因であるため、他のビタミンも関連があると考えやすい。混同注意:ビタミンD欠乏症やビタミンK欠乏症が骨粗鬆症の主要な原因であることと混同しやすい。
- 5. 副甲状腺機能亢進症は、血中カルシウム濃度を上昇させるために骨からカルシウムを過剰に溶出させるため、骨密度の低下を引き起こし骨粗鬆症の原因となります。正しくは:副甲状腺機能亢進症は骨粗鬆症の原因となる。選びやすい理由:副甲状腺がカルシウム代謝に関わることは知っていても、亢進が骨を弱くする機序を誤解する可能性がある。混同注意:甲状腺機能亢進症(これも骨粗鬆症の原因となる)と混同したり、カルシウム代謝の複雑さから原因と結果を間違えることがある。
国試ポイント
骨粗鬆症の多岐にわたる危険因子について、正確な知識があるかを問う問題です。特に、主要な栄養素(ビタミンD、カルシウム)と混同しやすい、あるいは過剰摂取が問題となる栄養素(ビタミンA)について知識の正確性が試されます。全身疾患や生活習慣が骨代謝に与える影響を理解しているかも重要です。
混同注意
ビタミンA欠乏症とビタミンD欠乏症。ビタミンD欠乏症は骨粗鬆症の主要な原因であるため、ビタミンという共通点から誤って関連付けてしまう。また、ビタミンA過剰摂取が骨粗鬆症のリスクとなるという知識も混乱を招く可能性がある。
次に同じ論点が出たら
今後同じ論点が出た場合、骨粗鬆症の二次性原因(疾患、薬剤など)に関する知識が問われる可能性が高い。特に、高齢者に多い併存疾患(糖尿病、腎臓病、関節疾患など)が骨粗鬆症に与える影響や、多剤併用による薬剤性骨粗鬆症の知識が重要となる。また、骨粗鬆症の予防的介入(栄養、運動)に関する知識も確認すべき点となる。
関連知識
骨粗鬆症の危険因子:加齢、性ホルモン欠乏(閉経後女性)、カルシウム・ビタミンD不足、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ステロイド薬長期使用、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、慢性腎臓病、糖尿病、胃切除後、関節リウマチなど。骨形成と骨吸収のメカニズム、それらを調節するホルモン(PTH、カルシトニン、性ホルモン、ビタミンD)。