Parkinson病の治療薬はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
パーキンソン病は、脳内の黒質緻密部におけるドーパミン産生細胞の変性・脱落により、ドーパミンが不足することで発症する神経変性疾患です。L-ドーパ(レボドパ)は、脳内でドーパミンに変換される前駆物質であり、ドーパミンを補充することで運動症状の改善を図る、パーキンソン病治療の中心となる薬剤です。
選択肢ごとの解説
- 1. NSAIDsは炎症や痛みを抑える薬であり、パーキンソン病の根本治療薬ではありません。正しくは:炎症や痛みの緩和、解熱などに用いられます。選びやすい理由:一般的な薬なので、病名と結びつけやすい可能性があります。混同注意:他の神経変性疾患に伴う痛みなど、対症療法として使用されるケースと混同するかもしれません。
- 2. 正解。パーキンソン病は脳内のドーパミン不足によって生じるため、L-ドーパを補充することでドーパミン量を増やし、症状を改善します。これはパーキンソン病治療の主要薬です。選びやすい理由:パーキンソン病治療の代表的な薬であるため、知識があれば正解しやすいです。
- 3. コリン作動薬はアセチルコリンの作用を増強する薬で、認知症(アルツハイマー型など)の症状緩和に用いられることがあります。パーキンソン病においては、逆にドパミン作動薬の副作用としてアセチルコリンの相対的過剰状態を是正するために抗コリン薬が用いられることがあります。正しくは:アルツハイマー型認知症などの認知機能障害の治療薬として使用されます。選びやすい理由:神経伝達物質に関連する薬なので、何らかの神経疾患治療薬だと考えるかもしれません。混同注意:神経伝達物質のバランス異常が原因となる疾患全般と混同したり、パーキンソン病で用いられる抗コリン薬と混同する可能性があります。
- 4. カルシウム拮抗薬は血管を拡張させたり、心臓の収縮力を調整したりすることで、高血圧や狭心症などの循環器疾患の治療に用いられます。パーキンソン病の治療薬ではありません。正しくは:高血圧症や狭心症、不整脈などの循環器疾患の治療に用いられます。選びやすい理由:血管や神経に関わる薬なので、なんとなく関連があるように感じるかもしれません。混同注意:神経系の疾患と混同する可能性は低いですが、幅広い薬剤知識の不確実性から誤って選ぶ可能性はあります。
- 5. セフェム系抗菌薬は細菌感染症の治療に用いられる抗生物質です。パーキンソン病は細菌感染によるものではないため、直接的な治療薬ではありません。正しくは:細菌による感染症の治療に用いられる抗生物質です。選びやすい理由:一般的な薬なので、選択肢として目を引きやすい可能性があります。混同注意:他の病気の治療薬と混同する可能性は低いですが、薬の分類に関する知識が曖昧な場合に選んでしまうかもしれません。
国試ポイント
パーキンソン病の基本的な病態生理と、それに対する主要な薬物療法(特にL-ドーパ)の関連性を問う問題です。各薬剤の主な作用機序と適応疾患を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
ドーパミン作動薬と抗コリン薬の使い分け(パーキンソン病の運動症状にはドーパミン作動薬、振戦には抗コリン薬が有効な場合があること)や、認知症治療薬との混同。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われるとしたら、L-ドーパ以外のパーキンソン病治療薬の作用機序や副作用、またはL-ドーパの長期使用に伴う問題点(wearing-off, on-off現象、ジスキネジア)とそれに対する対処法について問われる可能性が高いです。
関連知識
パーキンソン病の四大症状(振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害)、進行期におけるL-ドーパの副作用(ウェアリング・オフ現象、オン・オフ現象、ジスキネジア)、他の治療薬(ドーパミンアゴニスト、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬、アマンタジンなど)。