片側の筋収縮と体幹運動の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
片側の外腹斜筋が収縮すると、体幹の同側への側屈と対側への回旋が起こります。選択肢1は、このうち同側への側屈について正しく述べています。体幹の多くの筋は片側収縮時に側屈と回旋の両方に関与しますが、その方向(同側か対側か)を正確に理解しておくことが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。片側の外腹斜筋が収縮すると、体幹は収縮側と同じ方向へ側屈し、同時に反対側へ回旋します。したがって、「同じ側への側屈」という記述は正しいです。
- 2. 脊柱起立筋が片側だけ収縮した場合、体幹は収縮側と同じ方向へ側屈し、同じ方向へ回旋します。記述にある「反対側への側屈」は誤りです。正しくは:脊柱起立筋:同じ側への側屈選びやすい理由:脊柱起立筋が体幹の主要な筋であり、側屈に関与することは知られているため、側屈方向を混同しやすいです。混同注意:深層筋である多裂筋などの回旋作用と混同する可能性がありますが、脊柱起立筋の片側収縮による側屈は同側です。
- 3. 片側の内腹斜筋が収縮すると、体幹は収縮側と同じ方向へ側屈し、同じ方向へ回旋します。したがって、「反対側への回旋」は誤りです。正しくは:内腹斜筋:同じ側への回旋選びやすい理由:外腹斜筋が対側回旋であるため、内腹斜筋も対側と誤って覚えやすいですが、内腹斜筋は同側回旋です。混同注意:外腹斜筋の対側回旋作用と混同しやすいです。腹斜筋群は回旋作用の方向が異なるため注意が必要です。
- 4. 腹直筋は主に体幹の屈曲(前に曲げる)に関与し、回旋作用はほとんどありません。片側収縮時にわずかな同側への側屈はありますが、対側への回旋は起こしません。正しくは:腹直筋:体幹の屈曲選びやすい理由:他の腹筋群が回旋に関与するため、腹直筋も回旋作用があると誤解しやすいかもしれません。混同注意:回旋作用を持つ外腹斜筋や内腹斜筋と混同しやすいです。腹直筋は回旋作用を持たないと理解することが重要です。
- 5. 片側の腰方形筋が収縮すると、体幹は収縮側と同じ方向へ側屈し、骨盤を挙上させます。回旋作用はほとんどありません。正しくは:腰方形筋:同じ側への側屈選びやすい理由:側屈作用がよく知られているため、他の体幹運動、特に回旋作用があると誤認しやすいです。混同注意:脊柱起立筋や腹斜筋のように側屈と回旋を併せ持つ筋と混同しやすいですが、腰方形筋は基本的に回旋作用はありません。
国試ポイント
体幹筋の片側収縮による体幹運動(側屈、回旋、屈曲、伸展)の方向を問う問題は、国家試験で頻繁に出題されます。特に外腹斜筋と内腹斜筋の回旋方向の違いや、回旋作用を持たない筋(腹直筋、腰方形筋)を正確に覚えているかが問われます。
混同注意
体幹筋の作用で特に混同しやすいのは、外腹斜筋(対側回旋)と内腹斜筋(同側回旋)の回旋方向です。また、側屈と回旋の作用が同時に起こる筋と、主に一つの動きに特化している筋(例:腹直筋の屈曲、腰方形筋の側屈)の区別も重要です。「同側」と「対側」という表現の意味を確実に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出た場合、各体幹筋の起始停止と走行を頭の中でイメージし、片側だけが収縮したときに骨格がどちらの方向に引っ張られるかを考えましょう。特に腹斜筋群のように回旋方向が異なる筋のペアや、回旋作用を持たない筋に焦点を当てて確認することで、正答にたどり着くことができます。
関連知識
体幹筋の作用は、それぞれの筋の走行と付着部から理解できます。 * **外腹斜筋**: 第5-12肋骨から腹直筋鞘・腸骨稜。片側収縮で同側側屈、対側回旋。 * **内腹斜筋**: 胸腰筋膜・腸骨稜・鼠径靭帯から下部肋骨・腹直筋鞘。片側収縮で同側側屈、同側回旋。 * **脊柱起立筋**: 腸肋筋、最長筋、棘筋など。両側収縮で体幹伸展。片側収縮で同側側屈、同側回旋。 * **腹直筋**: 恥骨から剣状突起・第5-7肋軟骨。体幹の屈曲。 * **腰方形筋**: 腸骨稜から第12肋骨・L1-L4横突起。体幹の同側側屈、骨盤挙上。