Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類のC6B3で機能が残存している筋はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類において、Cは神経レベルを示し、C6は主にC6神経根が機能している状態です。Bは三頭筋の残存機能を示し、B3は三頭筋が部分的に機能することを意味します。C6レベルでは、上腕二頭筋、腕橈骨筋、回外筋、橈側手根伸筋、そして円回内筋などが機能します。さらにB3の定義により、上腕三頭筋も一部機能が残存していると判断されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ZancolliのC6B3分類では、C6神経根の支配筋である円回内筋の機能が残存しているとされています。これにより前腕の回内動作が可能です。
- 2. 総指伸筋はC7神経根支配の要素が強いため、C6レベルでは機能が十分に発揮されません。正しくは:総指伸筋の機能残存はC7レベル以上で見られます。選びやすい理由:上肢の機能改善を期待するあまり、C6で指伸筋の機能があると考えてしまうかもしれませんが、これは誤りです。混同注意:手関節伸筋(橈側手根伸筋)と指伸筋の機能を混同しやすいです。C6レベルでは手関節の伸展は可能ですが、指の伸展は困難です。
- 3. 深指屈筋はC7、C8神経根の支配が主であり、C6レベルでは機能は期待できません。正しくは:深指屈筋の機能残存はC7、C8レベル以上で見られます。選びやすい理由:指の屈曲筋は重要なため、ある程度の機能が残っていると誤解しやすいですが、C6では困難です。混同注意:C6レベルで期待される指の屈曲は、長指屈筋によるものではなく、手関節伸展に伴う腱の緊張による受動的な把持(テノデーシスアクション)です。
- 4. 正解。ZancolliのC6B3分類では、B分類のため上腕三頭筋の機能が一部または完全に残存していると定義されています。上腕三頭筋は主にC7神経根支配ですが、B分類ではC7の機能が部分的に残っていることを示唆します。選びやすい理由:C6レベルでは一般的に上腕三頭筋は麻痺していると考えられがちですが、Zancolli分類のB分類、特にB3では残存しているとされます。
- 5. 尺側手根伸筋は主にC7、C8神経根支配の要素が強く、C6レベルではその機能は期待できません。正しくは:尺側手根伸筋の機能残存はC7レベル以上で見られます。選びやすい理由:手関節伸筋群の一部であるため、橈側手根伸筋の機能と混同してしまいやすいですが、尺側手根伸筋の機能はC6レベルでは不十分です。混同注意:C6レベルで機能が残る橈側手根伸筋と混同しやすいです。
国試ポイント
Zancolliの分類における各レベルで機能が残存する主要な筋群を正確に理解しているか、特にB分類(上腕三頭筋の機能)の意味を把握しているかが問われています。一般的にC6レベルで三頭筋麻痺と覚えている学生が多いため、B分類の定義を知らないと誤答しやすくなっています。
混同注意
Zancolli分類と他の分類(例: 国際脊髄損傷学会のASIA分類)との違い、および各神経レベルで機能する主要筋を正確に把握していないと混乱しやすいです。特にC6レベルで上腕三頭筋が完全に機能しないと誤解しているとB3の意味を捉えられません。
次に同じ論点が出たら
今後、この分野が出題される場合、Zancolli分類の他のレベル(例: C5B0, C7B3など)で機能する筋、または上肢機能再建術の適応となる筋(例: 腕橈骨筋や円回内筋を用いた腱移行術)について問われる可能性があります。また、分類と合わせて具体的な上肢機能(例: どの動作が可能か)についても確認しておきましょう。
関連知識
Zancolliの分類は、四肢麻痺患者の上肢機能再建手術の適応を検討する上で重要な指標となります。各レベルでの残存機能筋とその組み合わせが、どのような手の機能(例:テノデーシス作用)に繋がるかを理解しておくことが重要です。C6レベルでは、手関節伸展は可能でも指の伸展・屈曲は困難であるため、テノデーシス作用を利用した把持が可能となります。