Colles骨折の合併症で起こりやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Colles骨折(橈骨遠位端骨折)では、骨折による浮腫や血腫、骨片転位などが原因で手根管内の圧力が上昇し、手根管を通過する正中神経が圧迫されやすくなります。これにより、急性期の正中神経麻痺や、遅れて手根管症候群を発症することが Colles骨折の代表的な合併症として知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. Colles骨折は橈骨遠位端骨折であり、主に手関節の損傷です。肘関節脱臼はColles骨折の直接的な合併症としては考えにくいです。正しくは:肘関節脱臼はColles骨折の直接的な合併症ではありません。橈骨遠位端骨折では肘関節脱臼は稀です。選びやすい理由:上肢の骨折であるため、肘関節にも関連があるように見えるかもしれませんが、直接的な関連性は低いです。混同注意:他の上肢の骨折や、より高エネルギー外傷での多発損傷と混同する可能性があります。
- 2. 腋窩神経は三角筋や小円筋を支配しており、主に肩関節周囲の骨折や脱臼(特に肩関節脱臼)で損傷しやすい神経です。Colles骨折とは解剖学的に離れており、直接的な合併症ではありません。正しくは:腋窩神経麻痺はColles骨折の合併症ではありません。腋窩神経は肩関節の損傷で起こりやすいです。選びやすい理由:上肢の神経麻痺であるため、可能性の一つと考えるかもしれませんが、部位が異なります。混同注意:上腕骨外科頚骨折や肩関節脱臼などの肩周囲の損傷による神経麻痺と混同しやすいです。
- 3. 橈骨神経は上腕から前腕にかけて伸筋群を支配し、Colles骨折では直接損傷を受けることは稀です。橈骨神経は上腕骨骨幹部骨折などで損傷を受けやすいです。正しくは:橈骨神経麻痺はColles骨折の主な合併症ではありません。橈骨神経は上腕骨骨幹部骨折などで損傷を受けやすいです。選びやすい理由:Colles骨折が橈骨の骨折であるため、橈骨神経との関連を考えやすいですが、損傷部位と神経走行が異なります。混同注意:Honeymoon palsy(ハネムーン麻痺)や上腕骨骨幹部骨折に伴う橈骨神経麻痺と混同しやすいです。
- 4. 正解。Colles骨折は橈骨遠位端の骨折であり、この部位の腫脹や変形が手根管内圧を上昇させ、手根管を通る正中神経を圧迫しやすく、手根管症候群や急性期の正中神経麻痺を引き起こしやすいです。これはColles骨折の代表的な合併症の一つです。
- 5. 長母指屈筋腱の断裂はDe Quervain病や舟状骨骨折、あるいはステロイド注射後の合併症などでは起こりえますが、Colles骨折で直接的に生じることは稀です。橈骨遠位端骨折の合併症としては、遅発性であるが尺側への転位が大きい場合に尺骨神経麻痺や、まれに遅発性の尺側伸筋腱断裂などが報告されることはありますが、長母指屈筋腱の断裂は一般的ではありません。正しくは:長母指屈筋腱の断裂はColles骨折の直接的な合併症としては稀です。他の要因や骨折とは異なる病態で生じることが多いです。選びやすい理由:手関節の骨折なので腱の損傷も考えやすいですが、長母指屈筋腱は骨折部位から直接断裂することは少ないです。混同注意:伸筋腱(特に長母指伸筋腱)の遅発性断裂とは混同しやすいですが、これはまれな合併症であり、長母指屈筋腱ではありません。
国試ポイント
Colles骨折の合併症に関する知識が問われています。特に神経損傷に関しては、骨折部位との解剖学的関係を理解しているかが重要です。複数の神経の中から、最も頻繁に合併症として起こりうるものを選ぶ能力が求められます。
混同注意
他の上肢の骨折に伴う神経損傷(例:上腕骨骨幹部骨折と橈骨神経麻痺、上腕骨外科頚骨折と腋窩神経麻痺)と混同しやすいです。それぞれの骨折と、それに伴って損傷しやすい神経の組み合わせを正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
この論点について次回出題される場合、Smith骨折などの他の橈骨遠位端骨折の合併症、あるいは上肢の他の骨折と関連する神経損傷、または手根管症候群の具体的な症状(母指、示指、中指のしびれなど)を問う問題が考えられます。
関連知識
Colles骨折の治療法(保存療法・手術療法)、Pouteau-Colles骨折、Smith骨折、Barton骨折、Chauffeur骨折などの他の橈骨遠位端骨折の種類とその特徴、手根管症候群の症状と検査法(Tinelサイン、Phalenテスト)。