作業療法中の低血糖発作で注意すべきなのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
低血糖発作の初期症状として、血糖値の低下に伴う交感神経の過活動により、アドレナリンが分泌され、手の震え(振戦)、冷や汗、動悸、不安感などが現れます。これらは警告症状として、早期発見と対処に非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 深い呼吸は低血糖の直接的な症状ではありません。アシドーシスなどの代謝性疾患でみられることがあります。正しくは:低血糖では呼吸の変化は特異的ではありませんが、重症化すると呼吸が浅くなることがあります。選びやすい理由:何らかの緊急事態で呼吸の変化は重要なサインなので、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:糖尿病性ケトアシドーシスによるクスマウル呼吸(深く速い呼吸)と混同する可能性があります。低血糖とは症状が異なります。
- 2. 喉の渇きは高血糖(脱水症状)の典型的な症状であり、低血糖とは異なります。正しくは:低血糖では喉の渇きは通常見られません。選びやすい理由:糖尿病の症状として漠然と「喉の渇き」を連想しやすいため、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:高血糖による口渇や多飲と混同しやすいです。
- 3. 正解。低血糖発作時には、血糖値が急激に低下することで交感神経が活性化し、アドレナリンなどの分泌が増加します。これにより、手の震え(振戦)、動悸、冷や汗、不安感などの症状が現れます。これらは警告症状として特に重要です。
- 4. 皮膚の乾燥は脱水症状や、慢性的な高血糖状態に見られることがあります。低血糖の急性症状としては適切ではありません。正しくは:低血糖では、むしろ発汗増加による皮膚の湿潤が見られることが多いです。選びやすい理由:糖尿病患者の皮膚トラブルとして乾燥を連想し、低血糖時にも起こりうると誤解する可能性があります。混同注意:慢性的な高血糖状態による皮膚の変化と混同しやすいです。
- 5. 低血糖で筋緊張が亢進することは稀です。むしろ、重度の低血糖では中枢神経系の機能が低下し、筋力低下や意識障害、けいれんが見られることがあります。正しくは:低血糖の初期段階では手の震えなどの不随意運動が見られますが、筋緊張の亢進は一般的ではありません。選びやすい理由:けいれんなどの重篤な状態と関連付けて、筋緊張の異常として誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:低血糖によるけいれん発作と、一般的な筋緊張の亢進を混同する可能性があります。
国試ポイント
作業療法士国家試験では、糖尿病患者の全身管理に関する知識が問われます。特に、緊急時の対応やバイタルサイン、症状の変化に対する理解が重要です。低血糖の初期症状とその対応は基本的な知識として頻出します。似たような症状を呈する疾患との鑑別も問われることがあります。
混同注意
高血糖の症状(口渇、多飲、多尿、倦怠感)と低血糖の症状を混同しやすいです。また、他の原因による震えや意識障害(例:てんかん、脳卒中)との鑑別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、低血糖時の具体的な処置(例:糖質摂取の種類と量、インスリン注射との関連性)や、重症度別の対応プロトコル、あるいは無自覚性低血糖の原因と対応について問われる可能性があります。
関連知識
低血糖の定義(通常血糖値70mg/dL未満)、低血糖発作の原因(インスリン過剰投与、食事摂取不足、運動過多など)、重症度による症状(意識障害、昏睡など)、緊急時の対応(糖分摂取、グルカゴン注射、医療機関への連絡)。また、糖尿病性神経障害による自律神経症状(無自覚性低血糖)についても理解が必要です。