上肢の形態計測と方法の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では1・2のいずれも正解とされています。 上腕周径は上腕の最大周囲長を、上肢長は肩峰から中指先端までの長さを測定するのが標準的な方法です。他の選択肢は、計測部位や方法が一般的ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。上腕周径は通常、上腕の最大周囲を計測します。これは筋量の指標などとして用いられます。
- 2. 正解。上肢長は、肩の頂点である肩峰から、中指の最も遠位端までを直線で計測するのが一般的です。これは上肢全体の長さを評価する際に用いられます。
- 3. 前腕長は、一般的に肘関節の関節裂隙(または上腕骨外側上顆)から、橈骨茎状突起(または尺骨茎状突起)までの長さを計測します。単に『肘関節中央』や『手関節中央』という表現は曖昧で、正確な指標ではありません。正しくは:前腕長は、肘関節外側上顆から橈骨茎状突起までの長さを計測する。選びやすい理由:『肘関節中央』や『手関節中央』という表現が、なんとなく正しい位置を指しているように感じられるため。混同注意:各部位の正確なランドマークと、そのランドマーク間の計測方法。
- 4. 手長は、一般的に手関節の屈曲線の中央(橈骨茎状突起と尺骨茎状突起を結ぶ線の中点)から中指の先端までを計測します。三角骨と大菱形骨を結ぶ線の中点という指標は、手長の計測点としては一般的ではありません。正しくは:手長は、手関節の掌側手首のしわの中央(または橈骨茎状突起と尺骨茎状突起を結ぶ線の中点)から中指先端までの長さを計測する。選びやすい理由:手関節付近の骨の名前が提示されており、専門的な計測点のように見えてしまうため。混同注意:手関節の正確な基準点と、手部の個々の骨の解剖学的知識。
- 5. 手厚は通常、第2または第3中手指節関節部ではなく、指節関節を含まない中手骨レベル(例えば、第2指の基部)で測定されることが多いです。また、計測部位は一般的に中手骨の頭部よりも近位の掌側中央付近が選ばれます。第中手指節関節部は指の屈曲により厚みが変動しやすく、安定した計測部位としては不適切です。正しくは:手厚は、中手骨頭部より近位の、手掌面中央付近で計測する。選びやすい理由:『手の厚み』を測定するという意図は理解できるため、特定の関節レベルでの測定という記述が正しいように思える。混同注意:手掌や手の甲の計測に関する知識と、指節関節の解剖学的位置。
国試ポイント
形態計測では、身体各部位の正しい計測部位(ランドマーク)と計測方法が問われます。特に、どの部位からどの部位までを測るか、どの指標を用いるかが重要です。
混同注意
身体各部位の正確な解剖学的ランドマーク、そしてそれらの間の標準的な計測方法が混同しやすいポイントです。似たような名称の計測項目や、近接する解剖構造も混乱の原因となります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の体幹や下肢の形態計測(例:下肢長、膝高、体幹周径など)の標準的な計測方法とランドマークを確認する。また、各計測がどのような目的で行われるかも合わせて学習する。
関連知識
人体計測学(Human anthropometry)の基礎、身体各部位の解剖学(骨、関節のランドマーク)、身体計測の目的と臨床応用(栄養状態の評価、義肢装具の適合、リハビリテーション効果の判定など)。