カーテン徴候が陽性の場合、嚥下が障害される期はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
カーテン徴候は、片側の軟口蓋挙上運動が障害され、口蓋垂が麻痺側と反対側に偏位する現象です。これは嚥下における咽頭期の主要な動きである軟口蓋の挙上と咽頭後壁への接触不全を示唆し、咽頭期での嚥下障害の指標となります。嚥下反射の求心路または遠心路の障害、特に舌咽神経(IX)や迷走神経(X)の機能不全が原因で生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. 先行期は、食物を認識し、食べる準備をする段階であり、カーテン徴候は直接関連しません。正しくは:先行期は食物の認識、食欲、摂食の意図に関わる段階です。選びやすい理由:嚥下障害の初期段階であるため、全ての嚥下問題と結びつけやすい可能性があります。混同注意:準備期や口腔期など、より具体的な嚥下段階の初期病態。
- 2. 準備期は、食物を口腔内で咀嚼し、食塊を形成する段階であり、カーテン徴候とは直接関連しません。正しくは:準備期は咀嚼、唾液との混合、食塊形成に関わる段階です。選びやすい理由:先行期と同様に、嚥下障害の初期段階であるため、漠然と嚥下全体の問題と捉える場合に選択されやすいです。混同注意:口腔期の一部または先行期と混同されることがあります。
- 3. 口腔期は、食塊を口腔から咽頭へ送り込む段階であり、主に舌の運動が関与します。カーテン徴候は軟口蓋の運動障害であり、舌の運動障害とは直接的な関連が薄いです。正しくは:口腔期は主に舌による食塊の送り込みを指します。選びやすい理由:嚥下運動の視覚的に分かりやすい部分であり、口腔内の問題と認識されやすいからです。混同注意:舌の運動障害や咀嚼能力の問題。
- 4. 正解。カーテン徴候は、軟口蓋の挙上運動の障害を示し、口蓋垂が健側に偏位します。軟口蓋の挙上は、食物の鼻腔への逆流を防ぎ、食塊を咽頭に送り込む咽頭期において極めて重要な機能であるため、咽頭期の障害と判断されます。選びやすい理由:軟口蓋の動きが直接観察できるため、その所見と嚥下段階が明確に結びつきやすいからです。混同注意:他の嚥下段階の概念とは明確に区別されるべきです。
- 5. 食道期は、食塊が食道を通過して胃に運ばれる段階であり、食道の蠕動運動が主に関与します。カーテン徴候は軟口蓋の運動障害であり、食道期の機能とは直接関連しません。正しくは:食道期は食道の蠕動運動による食塊の輸送が主な機能です。選びやすい理由:嚥下の一連の流れの最終段階であるため、あらゆる嚥下障害の可能性として考えやすいです。混同注意:食道アカラシアや逆流性食道炎などの食道自体の疾患。
国試ポイント
カーテン徴候が嚥下機能のどの段階で生じるか、そのメカニズムと関連する神経支配(舌咽神経、迷走神経)を理解することが重要です。
混同注意
カーテン徴候は主に軟口蓋の運動障害を示すため、舌の運動障害を主とする口腔期の問題や、食道の蠕動運動に関わる食道期の問題とは明確に区別されます。
次に同じ論点が出たら
嚥下関連の症状や所見から、それが嚥下のどの段階の障害を示唆するか、そのメカニズムと関連する神経支配を判断基準とします。
関連知識
嚥下反射は先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期の5段階に分けられます。嚥下障害のアセスメントには、カーテン徴候の他に、嚥下音、反復唾液嚥下テスト(RSST)、水飲みテストなどが用いられます。軟口蓋の挙上不全は、鼻腔への逆流や誤嚥のリスクを高めます。