図は痙直型両麻痺を示す脳性麻痺児(GMFCSレベルⅢ)の長座位姿勢である。後方に倒れるのを防ぐため上体を起こそうと全身の筋緊張を強め努力している。その際に上肢に起こる連合反応として適切なのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
痙直型脳性麻痺の子どもが努力して体幹を安定させようとする際に、上肢には非随意的な共同運動パターンや連合反応が出現しやすいです。この場合、肩甲帯の筋群が過緊張を起こし、肩甲骨の挙上が頻繁に見られます。これは上位共同運動パターンの一部として理解されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。全身に力を入れる、特に体幹を安定させようとすると、肩甲帯を含む多くの筋が協調せず過剰に収縮し、肩甲骨は挙上しやすいです。これは原始的な共同運動パターンの一部でもあります。
- 2. 痙直型脳性麻痺における連合反応や共同運動では、肩関節は内転・内旋パターンをとることが多く、外転は一般的ではありません。正しくは:肩関節は内転・内旋する。選びやすい理由:上肢全体に力が入ると、何らかの動きが出るという漠然としたイメージから誤って選んでしまうかもしれません。混同注意:随意運動としての外転と、非随意的な連合反応・共同運動パターンを混同しやすいです。
- 3. 痙直型脳性麻痺の連合反応では、上肢は屈曲パターン(肘関節屈曲、前腕回内、手関節掌屈)を示すことが多く、肘関節の伸展は稀です。正しくは:肘関節は屈曲する。選びやすい理由:姿勢保持のための努力性収縮が、上肢の伸展(突っ張り)として現れると考える人もいるかもしれません。混同注意:痙直による屈筋群優位のパターンと、伸展パターンを混同しやすいです。
- 4. 痙直型脳性麻痺における上肢の連合反応では、前腕は回内位をとることが一般的です。回外筋は弱く、回内筋が優位になることが多いです。正しくは:前腕は回内する。選びやすい理由:物を掴む動作などでの前腕回外を連想し、力が入る場面と結びつけてしまうかもしれません。混同注意:機能的な回外運動と、病的共同運動としての回内パターンを混同しやすいです。
- 5. 痙直型脳性麻痺の連合反応では、手関節は掌屈位をとることが多く、背屈は一般的ではありません。指も屈曲することが多いです。正しくは:手関節は掌屈する。選びやすい理由:手関節が機能的に伸展(背屈)している状態が良いというイメージから、努力によってその方向に向かうと誤解する可能性があります。混同注意:麻痺のない健常な努力性収縮時の手の形と、痙直性の連合反応を混同しやすいです。
国試ポイント
脳性麻痺、特に痙直型における連合反応や病的共同運動の典型的なパターンを正確に理解しているかを問う問題です。特定の肢位や努力時に出現する非随意的な動きについて問われます。
混同注意
随意運動時の筋活動パターンと、痙直による非随意的な連合反応・共同運動パターンを混同しやすいです。また、各関節の屈曲・伸展、内転・外転、回内・回外のどちらが優位になるかについて、正確な知識が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、下肢や体幹の連合反応、または他の脳性麻痺タイプ(アテトーゼ型など)における不随意運動の特徴について問われる可能性があります。ブルンストロームの共同運動パターンを具体的にイメージできるかが重要になります。
関連知識
脳性麻痺の分類(痙直型、アテトーゼ型など)、GMFCSレベル、ブルンストロームの共同運動段階、原始反射、病的共同運動、連合反応の概念と具体的な出現パターン。