SF-36は、8領域の健康概念の質問項目から成り立っている。その領域にある項目で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
SF-36は、人々の健康関連QOL(Quality of Life)を測定するための広く用いられている尺度であり、8つの健康概念領域から構成されています。これらは、身体機能(PF)、身体的役割機能(RP)、体の痛み(BP)、総合的な健康感(GH)、活力(VT)、社会生活機能(SF)、精神的役割機能(RE)、心の健康(MH)です。選択肢1の「活力」は、この8つの領域の一つとして含まれており、疲労感の有無やエネルギーレベルを評価する項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。SF-36には「活力 (Vitality)」という評価項目が含まれており、疲労感やエネルギーレベルを測定します。
- 2. SF-36には「嗜好」を直接評価する項目はありません。嗜好は個人の趣味や好みに関わるもので、健康関連QOLの直接的な評価項目とは通常見なされません。正しくは:SF-36の評価項目には、身体機能、役割機能(身体・精神)、体の痛み、総合的な健康感、活力、社会生活機能、心の健康(精神的健康)などが含まれます。選びやすい理由:生活の質に関連すると考えられなくもないですが、SF-36の健康概念の構成要素には含まれません。混同注意:「社会生活機能」や「精神的健康」といった項目と混同する可能性がありますが、嗜好はこれらの概念とは異なります。
- 3. SF-36には「食欲」を直接評価する項目はありません。食欲は健康状態の指標の一つではありますが、SF-36の主要な評価領域には含まれていません。正しくは:SF-36は、主観的な健康状態を測定するために設計されたもので、食欲のような具体的な生理学的指標は直接評価しません。選びやすい理由:食欲の有無は健康状態に密接に関わるため、一見すると選択肢として適切に思えるかもしれません。混同注意:「体の痛み」や「総合的な健康感」といった項目と混同するかもしれませんが、食欲は特定の身体症状であり、より広範なQOL評価とは異なります。
- 4. SF-36には「人格」を評価する項目はありません。SF-36は健康関連QOLを測定するものであり、個人の性格や人格特性を評価する尺度ではありません。正しくは:SF-36は、身体的・精神的な機能や健康感を評価することに特化しています。選びやすい理由:「心の健康(精神的健康)」という項目があるため、人格と関連付けやすいかもしれませんが、両者は明確に異なる概念です。混同注意:「心の健康(精神的健康)」や「役割機能(精神)」と混同する可能性がありますが、これらは気分や感情の状態を評価するもので、人格とは異なります。
- 5. SF-36には「知能」を評価する項目はありません。SF-36は健康状態や機能レベルを測定するものであり、認知能力や知能指数を評価するツールではありません。正しくは:SF-36は健康に関する主観的な認識と機能的側面を評価します。認知機能の一部は精神的健康の文脈で間接的に関連しますが、知能そのものの測定はSF-36の範囲外です。選びやすい理由:「役割機能(精神)」や「心の健康(精神的健康)」といった項目と、認知機能との関連から選びたくなるかもしれませんが、SF-36は知能検査ではありません。混同注意:「役割機能(精神)」や「精神的健康」といった項目と混同する可能性がありますが、SF-36で評価されるのは、ストレスや気分、感情の状態であり、知能の高さではありません。
国試ポイント
SF-36の評価項目に関する知識が問われています。SF-36は非常に頻出する評価尺度であり、その構成要素(8つの下位尺度)を正確に理解しておくことが重要です。特に、それぞれの尺度がどのような側面を評価しているのかを把握しておく必要があります。
混同注意
SF-36は、単に身体的な健康だけでなく、精神的・社会的な側面を含む多角的な健康観に基づいているため、一見すると関連しそうな項目(食欲、嗜好、人格、知能など)と混同しやすいです。しかし、SF-36の8つの下位尺度は特定の健康概念に絞られており、これらの項目は直接的な評価対象ではありません。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、SF-36の8つの下位尺度(身体機能、身体的役割機能、体の痛み、総合的な健康感、活力、社会生活機能、精神的役割機能、心の健康)を全て正確に言えるか、それぞれの尺度が具体的に何を評価しているのかを理解しているかを確認しましょう。また、これらの尺度がどのようにして健康関連QOLを構成しているのか、その全体像を把握しておくことが重要です。
関連知識
SF-36の他にも、健康関連QOLを評価する尺度としてEuroQol 5D (EQ-5D)、WHOQOL-26などがあります。また、それぞれの尺度の特徴(評価領域、項目数、質問形式、対象疾患など)を比較して理解しておくと、より深い知識となります。