腋窩での体温測定で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
腋窩での体温測定において、体温計の感温部を腋窩動脈の走行部に当てることで、より正確な平衡温を測定できます。このため、体温計を前下方から後上方へ向かって挿入し、しっかりと腋窩中央に密着させる方法が推奨されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 下になっている側の腋窩は圧迫されやすく、血流が滞ったり、通気が悪くなったりすることで正確な体温が測りにくくなるため不適切です。通常、上方(上になっている側)の腋窩で測定します。正しくは:側臥位の患者では、上になっている側の腋窩で測定するのが適切である。選びやすい理由:なんとなく体の奥深くで測る方が正確そう、と感じるかもしれない。また、下側の方が安定していて体温計を挟みやすいと考える可能性もある。混同注意:体温測定の正確性を確保するための環境要因と混同する。圧迫や通気不良が測定値に影響を与えることを理解していない場合。
- 2. 正解。この挿入方法は、体温計の先端が腋窩中央の動脈に接触しやすくなり、正確な平衡温を測定するために最も効率的で推奨される方法です。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:正しい知識があれば迷わない。混同注意:腋窩体温測定の基本的な手順を理解していない場合、正しい挿入方向が不明確になる。
- 3. 発汗がある場合は、汗が蒸発する際に気化熱を奪うため、体表面の温度が低く表示され、正確な体温が測れません。消毒よりも先に、乾いたタオルなどで汗を拭き取ることが重要です。アルコール消毒は皮膚表面の温度を下げる可能性もあり、体温測定には不向きです。正しくは:発汗している場合は、乾いたタオルなどで腋窩の汗を拭き取ってから測定する。選びやすい理由:医療行為なので、なんとなく消毒が必要だと感じるかもしれない。感染対策と体温測定の目的が混同される。混同注意:感染予防のための清拭と、正確な体温測定のための環境調整を混同する。
- 4. 腋窩で平衡温を得るには10分程度の測定が必要です。3分間では平衡温に達しません。
- 5. 麻痺側は血流や代謝が非麻痺側と異なる場合があり、循環機能の低下や筋活動の減少によって局所の温度が正確な体温を反映しない可能性があります。通常、非麻痺側で測定することが推奨されます。正しくは:麻痺のある場合は、麻痺のない健常な側(非麻痺側)で測定する。選びやすい理由:左右どちらでも良いと考えるかもしれない。もしくは、健常側も麻痺側も同じ体温を示すはずだと誤解する可能性がある。混同注意:左右対称性が崩れる病態での測定部位の選択基準を理解していない。麻痺が局所の温度に与える影響を考慮しない。
国試ポイント
体温測定の基本手技に関する知識、特に腋窩体温測定の正しい方法とその理由が問われています。発汗時や体位、麻痺などの患者状況に応じた適切な対応も重要なポイントです。
混同注意
予測式体温計と実測式体温計の測定時間の違い、感染予防のための清拭と正確な測定のための清拭の違い、体位や疾患(麻痺など)が測定値に与える影響。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出た場合、体温測定の目的、測定部位の選択理由、正確な測定のための注意点(発汗、体位、疾患の影響、測定時間、体温計の種類)を網羅的に確認する。
関連知識
体温測定の目的(診断、治療効果の判定など)、体温測定部位(口腔、直腸、鼓膜など)ごとの特徴と正常値、各部位での禁忌事項。予測式体温計と実測式体温計の原理と使い方。