痛みの評価について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
VAS(Visual Analogue Scale)は、患者自身が痛みの程度を100mmの線上にマークすることで、主観的な痛みの強度を定量的に評価する視覚的アナログ尺度であり、その簡便性から広く用いられています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。VASは、患者自身が痛みの程度を線上に示すことで、主観的な痛みの強度を測定するための視覚的アナログ尺度です。選びやすい理由:痛みのアセスメントスケールとして非常に一般的で、正しい知識があれば選択しやすいです。混同注意:NRS(Numerical Rating Scale)
- 2. フェイス・スケール(Wong-Baker Faces Pain Scaleなど)は、主に小児や言語での表現が困難な患者の痛みの強度を、顔の表情で示すことで評価するツールであり、痛みの場所を評価するものではありません。正しくは:フェイス・スケールで痛みの程度を評価する。選びやすい理由:小児の痛みの評価によく用いられるため、痛みのアセスメントツールとして知られているから。混同注意:痛みの場所を示すボディマップ(body map)
- 3. Abbey Pain Scaleは、主に認知症などで自己申告が困難な高齢者の痛みを、介護者の観察に基づいて評価するための尺度であり、質問紙形式による評価方法ではありません。行動観察が中心です。正しくは:Abbey Pain Scaleは観察に基づく評価方法である。選びやすい理由:高齢者の痛みの評価に特化したスケールとして有名であるため、知識の断片があると間違って選びやすい。混同注意:質問紙形式の痛み評価尺度(例:MPQ-SFなど)
- 4. NRS(Numerical Rating Scale)は、0から10までの数字で痛みの強度を評価する尺度であり、痛みの特徴(例:ズキズキする、チクチクするなど)を評価するものではありません。正しくは:NRSで痛みの程度を評価する。選びやすい理由:NRSも痛みの強度評価に広く使われるため、知識が曖昧だと混同しやすい。混同注意:痛みの性質を評価する記述的尺度(例:McGill Pain Questionnaireの感覚的・情動的記述語)
- 5. STAS-J(Japanese version of the support team assessment schedule)は、緩和ケアの提供状況を評価するためのツールであり、患者の痛みの変遷を直接評価するものではありません。これは緩和ケアチームの活動評価スケールです。正しくは:STAS-Jは緩和ケアチームによるケアの質を評価する尺度である。選びやすい理由:緩和ケアの分野で用いられるスケールとして知られているため、痛みと関連付けやすい。混同注意:患者の痛みの日内変動や治療効果を記録する痛み日誌や痛みのチャート
国試ポイント
痛みのアセスメントスケールの種類とそれぞれの特徴・用途を正確に理解し、適切に使い分けられることが重要です。
混同注意
痛みのアセスメントスケールは多数あり、それぞれの評価項目や形式(自己記入式、観察式など)が異なるため、混同しやすいです。特に、NRSやWong-Baker Faces Pain Scaleとの区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
痛みのアセスメントに関する問題が出た場合、まず各スケールが何のために、どのような形式で、何を評価するのかを正確に把握し、問題文の状況に最も適した評価方法を選択しているかを確認します。
関連知識
痛みの多角的アセスメントには、痛みの部位、性質、強度、頻度、悪化・緩和因子、それに伴う苦痛や生活への影響など、様々な側面からの評価が含まれます。PQRST(Provocation/Palliative, Quality, Region/Radiation, Severity, Timing)も痛みの評価に用いられる枠組みです。