FABに含まれる課題はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Frontal Assessment Battery(FAB)は、前頭葉機能、特に実行機能を評価するためのスクリーニング検査です。FABは以下の6つのサブテストから構成されます。『概念化(類似性)』、『運動プログラミング(運動系列)』、『応答抑制(Go/No-Go課題)』、『自律神経活動への抵抗(把握反射の模倣)』、『語の流暢性(文字による単語生成課題)』、『把握行動(刺激への応答)への抵抗』。この中で「語の流暢性」が選択肢5に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 計算能力はFABの直接的な評価項目ではありません。FABは前頭葉機能に特化しており、計算はより広範な認知機能の一部です。正しくは:FABには計算能力ではなく、行動の制御や計画、推論などの項目が含まれます。選びやすい理由:他の高次脳機能評価バッテリー(例:MMSE、HDS-R)には計算能力が含まれるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:MMSE(Mini-Mental State Examination)やHDS-R(長谷川式認知症スケール)に含まれる計算項目と混同しやすいです。
- 2. 色の呼称はFABの評価項目ではありません。FABは前頭葉機能(特に実行機能)を評価することを目的としています。正しくは:FABは言語流暢性、応答抑制、プログラミング、概念化などを評価します。選びやすい理由:失語症評価や一部の認知機能スクリーニング検査では、物品呼称や色彩呼称が含まれることがあるため、認知機能評価全般として選択肢として考えやすいかもしれません。混同注意:標準失語症検査(SLTA)などの言語評価バッテリーに含まれる呼称課題と混同しやすいです。
- 3. 書き取りはFABの評価項目ではありません。FABは前頭葉機能、特に遂行機能を評価するものです。正しくは:FABには書き取りではなく、指示に従って特定の行動を抑制する課題や、類似性を探す課題などが含まれます。選びやすい理由:高次脳機能障害の評価において、書字障害は重要な評価項目であるため、全体的な認知機能評価と誤認する可能性があります。混同注意:失語症検査や標準高次脳機能検査の一部に含まれる書字課題と混同しやすいです。
- 4. 左右判別はFABの評価項目ではありません。左右失認は頭頂葉機能と関連が深いとされています。正しくは:FABは左右判別のような身体図式に関する課題ではなく、より複雑な実行機能を評価します。選びやすい理由:ゲルストマン症候群のように左右失認が高次脳機能障害の症状の一つであるため、認知機能評価全般の項目と誤解しやすいです。混同注意:ゲルストマン症候群の診断項目や、頭頂葉機能に関する評価項目と混同しやすいです。
- 5. 正解。FABの評価項目には「語の流暢性(文字による単語生成課題)」が含まれており、これは前頭葉の実行機能、特に言語生成能力や検索能力を評価するものです。
国試ポイント
国家試験では、主要な高次脳機能検査バッテリーの名称と、それに含まれる主要な評価項目が問われます。特にFABは前頭葉機能に特化しているため、その特徴的な評価項目を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
FABとMMSE、HDS-R、MoCAなどの他の認知機能スクリーニング検査の評価項目を混同しやすいです。FABは前頭葉機能(実行機能)に特化している点が特徴的です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、FAB以外の他の主要な認知機能スクリーニング検査(MMSE, HDS-R, MoCAなど)についても、その主な評価項目と特徴、対象となる認知機能領域を確認しておく必要があります。特に、どの検査がどの脳部位の機能評価に主眼を置いているかを理解することが重要です。
関連知識
FABの各サブテストの具体的な内容(例:概念化では「リンゴとバナナ」の類似性を問う、応答抑制では「手を叩けと言ったら叩く、叩くなと言ったら叩かない」など)まで理解しておくと、より実践的な知識となります。また、各サブテストが評価する前頭葉の機能的側面(例:語の流暢性→言語生成、応答抑制→行動制御)も把握しておきましょう。