上腕能動義手の適合判定で、肘離断患者の場合に実施しない検査はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
上腕能動義手、特に肘離断の患者の場合、義手には肘関節の回旋機能が備わっていないため、「回旋力に対する安定性」を検査する必要がありません。他の選択肢は、義手の適合性や機能性を評価するために重要な項目です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肘関節離断患者の場合、能動義手において肘関節自体の回旋機能は通常備わっていません。したがって、肘関節の回旋力に対する安定性を評価する必要はありません。上腕能動義手は肩の動きでターミナルデバイスを操作するため、肘関節の回旋安定性は直接的な評価項目とはなりません。評価するのは義手と残存肢の適合や、ターミナルデバイスの機能、ケーブル操作の効率性などです。正しくは:肘関節離断患者の上腕能動義手では、肘関節自体の回旋機能は有しないため、この項目は評価しません。選びやすい理由:一見すると義手の安定性に関わる項目に見えるため、誤って正しい選択肢だと思ってしまう可能性があります。混同注意:「安定性」という言葉から、ソケットの安定性や全体的な装着感と混同しやすいですが、ここでは『肘の回旋力に対する』安定性であり、肘関節機能を持たない義手では無関係です。
- 2. ソケットの適合は、義手の快適性、機能性、残存肢の保護に直結するため、非常に重要な評価項目であり、必ず実施されます。適切に適合していないと、痛み、皮膚損傷、義手のずれなどが生じます。
- 3. 義手が日常生活動作中に外れないか、残存肢に不快な力がかからないかを評価するため、引っ張り荷重に対する安定性は必須のチェック項目です。特にターミナルデバイスでの物体の把持時に重要となります。
- 4. 上腕能動義手は、肩の動きを利用したケーブルシステムでターミナルデバイス(フックやハンド)を操作するため、このシステムの効率性(スムーズさ、必要な力、動作範囲など)は義手の機能性を左右する重要な評価項目です。スムーズで効率的な操作は、患者の義手使用の習熟度や満足度に直結します。
- 5. 上腕能動義手の場合、能動式の肘関節を備えていることがあり、その肘の屈曲動作は肩関節の特定の動き(例えば屈曲や外転)によって駆動されます。そのため、肘関節を最大に屈曲させるために必要な肩関節の可動域を評価することは、義手操作の効率性や患者の操作負担を評価する上で重要です。これにより、操作のしやすさや疲労度を判断します。
国試ポイント
義手の種類(ここでは上腕能動義手と肘離断という特定の条件)と、それに伴う機能や評価項目を正確に理解しているかを問う問題です。各義手が持つ機能と、それに対応する評価項目を関連付けて覚えることが重要です。特に『実施しない検査はどれか』という否定形の問題では、他の選択肢がなぜ実施されるのかを明確に理解している必要があります。
混同注意
「安定性」という言葉から、ソケットの安定性や全体的な義手の固定性と混同しやすいため注意が必要です。設問は「肘の回旋力に対する安定性」と限定されています。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、今度は「筋電義手の適合判定で実施しない検査はどれか」や「前腕義手で特に重視される適合判定項目はどれか」など、別の種類の義手や残存肢位における評価項目が問われる可能性があります。また、「実施する検査はどれか」という肯定形で問われることも考えられます。
関連知識
義手の分類(能動義手、他動義手、装飾用義手、筋電義手など)、各義手の主要な部品と機能、義手処方時の評価項目、能動義手の操作原理(肩甲帯の動きなど)。特に上肢義手では、残存肢位に応じた義手のタイプ(手関節離断、前腕義手、肘関節離断、上腕義手、肩関節離断など)とその特徴的な機能や評価項目を理解しておく必要があります。