摂食障害について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
神経性過食症(Bulimia Nervosa)は、神経性やせ症(Anorexia Nervosa)に比べて有病率が高いことが、様々な疫学研究で示されています。DSM-5においても、神経性やせ症の有病率が0.4%程度であるのに対し、神経性過食症の有病率は1〜1.5%とされています。この知識は摂食障害の基本的な疫学情報として重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 摂食障害は女性に多く見られますが、男性にも発症する可能性があります。正しくは:摂食障害は女性に多いですが、男性にも発症することがあります。選びやすい理由:摂食障害の患者の大部分が女性であるという統計的事実から、男性には発症しないと誤解しやすいため。混同注意:性差のある疾患と、特定の性別のみに発症する疾患を混同している可能性があります。
- 2. 正解。疫学調査によると、神経性過食症の有病率は神経性やせ症よりも高いと報告されています。選びやすい理由:この知識は、両疾患の基本的な疫学情報を理解しているかを問うものであり、学生が適切に学習していれば正解できます。
- 3. 神経性過食症では、過食後に体重増加を防ぐために、自己誘発性嘔吐や下剤の乱用などの代償行動が頻繁に見られます。正しくは:神経性過食症では、自己誘発性嘔吐が見られることがあります。選びやすい理由:過食行為そのものに焦点が当たりやすく、その後の代償行動が忘れられがちであるため。混同注意:神経性過食症の特徴である「過食とその後の不適切な代償行動」のうち、代償行動の具体的内容を混同している可能性があります。
- 4. 摂食障害の病態は流動的であり、神経性過食症から神経性やせ症へ、あるいはその逆へと移行するケースは臨床で報告されています。正しくは:神経性過食症から神経性やせ症へ病態が移行することはあります。選びやすい理由:一般的に、それぞれの病名は異なる診断基準を持つため、相互の移行がないと誤解しやすいため。混同注意:診断名が固定的な疾患と、病態が変化しうる精神疾患の特性を混同している可能性があります。
- 5. 神経性やせ症の患者では、しばしば低体重であるにもかかわらず、過活動や運動強迫が見られ、これが疾患の維持要因となることがあります。正しくは:神経性やせ症では、過活動や運動強迫が認められることがあります。選びやすい理由:「やせ」に焦点が当たりやすく、その行動的特徴が見落とされがちであるため。また、身体的な衰弱から活動性が低下すると考える誤解から。混同注意:神経性やせ症の身体的特徴と、精神行動的な特徴を混同している可能性があります。
国試ポイント
摂食障害の各病型の基本的な特徴(疫学、症状、経過)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、有病率の比較や、各病型に特有の行動(自己誘発性嘔吐、過活動など)の有無に関する知識が重要視されます。
混同注意
神経性やせ症と神経性過食症の症状や特徴、特に代償行動の種類や疾患の移行性について混同しやすいです。また、疫学的な数値(有病率、男女比)も曖昧になりがちです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各摂食障害の診断基準に含まれる具体的な症状(例:神経性やせ症におけるBMIの基準値、神経性過食症における代償行動の頻度)や、治療薬の選択、鑑別診断のポイントなどが問われる可能性があります。また、摂食障害患者への作業療法介入の内容も重要です。
関連知識
摂食障害の診断基準(DSM-5またはICD-10/11)、各病型の詳細な症状(例:神経性やせ症の体重減少、無月経、ボディイメージの歪み;神経性過食症の過食エピソードと代償行動)、合併症(電解質異常、歯のエナメル質侵食など)、治療法(認知行動療法、栄養指導など)に関する知識が必要です。