統合失調症に特徴的な思考の障害はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
統合失調症に特徴的な思考障害の一つに『思考途絶(blocking)』があります。これは、会話の途中で突然思考が中断し、しばらく沈黙した後、別の話題に移ったり、何を話していたか思い出せなくなったりする現象です。選択肢2はこれを的確に表現しています。
選択肢ごとの解説
- 1. これは思考制止の特徴であり、うつ病などで見られますが、統合失調症に特有ではありません。正しくは:思考の速度が速く、次々に観念が浮かぶ。選びやすい理由:精神疾患全般で思考障害があるため、これも該当しそうに思えるかもしれない。混同注意:思考制止(思考が遅い、進まない)と思考途絶(突然思考が中断する)。
- 2. 正解。これは思考途絶(blocking)と呼ばれる症状で、統合失調症に非常に特徴的な思考障害の一つです。会話中に突然話が止まり、その後別の話題に移ることがあります。
- 3. これは迂遠(うえん)と呼ばれる思考障害で、てんかん性パーソナリティ障害などで見られることがありますが、統合失調症に特異的ではありません。統合失調症の解体された思考とは異なります。正しくは:直接的に思考目標に到達し、回り道をしない。選びやすい理由:統合失調症の思考はまとまりがないため、回りくどいとも捉えられそうだが、これは『本筋に戻ろうとするが戻れない』点が異なる。混同注意:迂遠(最終的に目標に戻る)と保続(同じことばかり繰り返す)や概念弛緩(目標に到達できない)。
- 4. 観念の連合弛緩や滅裂思考は統合失調症に見られますが、『意識の混濁を伴う』のは意識障害であり、せん妄などで見られます。統合失調症では通常、意識は清明です。正しくは:観念の間に論理的な関連がなく、意識は清明である。選びやすい理由:統合失調症の思考障害は重度で、意識の混濁も伴うように感じられるかもしれない。混同注意:思考の解体(連合弛緩、滅裂思考)と意識混濁(せん妄など)。
- 5. これは観念奔逸(かんねんほんいつ)の特徴であり、躁病エピソードなどで見られます。統合失調症の連合弛緩とは異なり、こちらは思考の速度が速く、ユーモアや韻を踏むことでつながりがあるように見えることがあります。正しくは:思考の速度は正常か遅く、観念のつながりがなく、目標から外れていく。選びやすい理由:思考の連鎖が途切れるという点で、統合失調症の思考障害と似ていると感じられるかもしれない。混同注意:観念奔逸(思考が速く、表面的な関連で連なる)と連合弛緩(思考の関連性がなく、まとまりがない)。
国試ポイント
統合失調症に特徴的な精神症状、特に思考障害に関する知識が問われています。それぞれの選択肢が示す症状が、どの精神疾患や病態に特徴的であるかを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
『思考途絶』と『思考制止』、『観念奔逸』と『連合弛緩』など、思考の障害には多くの種類があり、それぞれの特徴と、どの疾患に典型的に見られるかを混同しやすいです。特に、統合失調症の思考障害は多岐にわたるため、個々の概念を正確に区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、統合失調症の思考障害だけでなく、他の主要な精神疾患(うつ病、躁病、せん妄、認知症など)に特徴的な精神症状(思考障害、感情障害、知覚障害など)についても問われる可能性が高い。特に、各症状がどの疾患に特異的か、または非特異的かを判断する力が求められます。
関連知識
統合失調症の思考障害には、思考途絶の他に、連合弛緩、滅裂思考、思考の貧困、迂遠、保続などがあります。これらと、うつ病の思考制止、躁病の観念奔逸、せん妄の意識混濁を伴う思考障害などを区別できるようにしておく必要があります。