疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
血管性認知症は、脳血管障害により脳の特定の領域が損傷することで発症します。この損傷が感情をコントロールする領域に及ぶと、感情の抑制が効かなくなる情動失禁(感情失禁)という症状が頻繁に現れます。これは、本人の意志とは関係なく、些細なことで泣いたり笑ったりする状態を指します。
選択肢ごとの解説
- 1. アルツハイマー型認知症の主症状は記憶障害、見当識障害、実行機能障害などであり、パーキンソニズムは一般的ではありません。パーキンソニズムは、パーキンソン病やレビー小体型認知症で顕著に見られます。正しくは:アルツハイマー型認知症 — 記憶障害選びやすい理由:認知症全般の知識が曖昧だと、パーキンソニズムを運動症状と捉え、認知症の一部と誤解する可能性があります。混同注意:レビー小体型認知症やパーキンソン病に伴う認知症との混同。
- 2. 正解。血管性認知症では、脳血管病変により感情のコントロールが困難になる情動失禁(感情失禁)がよく見られます。これは、少しの刺激で泣いたり笑ったりするなどの症状です。
- 3. 進行性核上性麻痺の主な症状は、垂直性眼球運動障害、姿勢反射障害による転倒、頸部の伸展位などが特徴です。他人の手徴候は、大脳皮質基底核変性症でよく見られる症状です。正しくは:進行性核上性麻痺 — 垂直性眼球運動障害選びやすい理由:進行性核上性麻痺も皮質基底核変性症も非定型パーキンソニズムであるため、症状の細かい区別がついていないと誤って選んでしまうかもしれません。混同注意:大脳皮質基底核変性症との混同。
- 4. 大脳皮質基底核変性症の主な症状は、左右差のあるパーキンソニズム、失行、失語、異所性肢(他人の手徴候など)です。幻視はレビー小体型認知症に特徴的な症状です。正しくは:大脳皮質基底核変性症 — 他人の手徴候選びやすい理由:両者とも認知機能障害を伴う神経変性疾患であるため、特徴的な精神症状の区別が曖昧だと誤解する可能性があります。混同注意:レビー小体型認知症との混同。
- 5. レビー小体型認知症の主な症状は、認知変動、幻視、パーキンソニズム(振戦、固縮、寡動など)です。アテトーゼは不随意運動の一種であり、主に脳性麻痺やハンチントン病などで見られる症状です。正しくは:レビー小体型認知症 — 幻視選びやすい理由:レビー小体型認知症がパーキンソニズムを伴うため、不随意運動全般の知識が曖昧だとアテトーゼのような運動障害と混同してしまうかもしれません。混同注意:パーキンソニズムとアテトーゼ(不随意運動の一種)の混同。
国試ポイント
認知症の種類とそれぞれの特徴的な症状を正確に区別できるかが問われています。特に、似たような症状を持つ疾患(パーキンソニズムを伴う認知症や非定型パーキンソニズムなど)の鑑別が重要です。
混同注意
認知症の各タイプ(アルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型など)や、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症など)の症状が混同しやすいポイントです。特に運動症状や精神症状の特徴を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各認知症の病型ごとの『中核症状』と『随伴症状』を区別し、特に鑑別点となる症状(例:幻視、情動失禁、他人の手徴候、垂直性眼球運動障害など)に注目して判断する。また、運動系疾患における不随意運動の種類と、それぞれ特徴的な疾患との組み合わせも確認する。
関連知識
認知症の診断基準(DSM-5やICD-10/11)、各疾患の病理学的特徴、神経伝達物質の関連、神経画像診断所見。また、パーキンソン病、多系統萎縮症などの非定型パーキンソニズムの知識も関連が深いです。