手の内在筋プラス肢位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
手の内在筋(虫様筋、骨間筋)は、MP関節を屈曲させ、PIP関節とDIP関節を伸展させるという特徴的な作用を持ちます。この肢位は「Intrinsic Plus Hand(内在筋優位手)」と呼ばれ、内在筋の機能が正常である、または過剰になっている状態を示します。例えば、リウマチ性関節炎などでMP関節が屈曲・PIP/DIP関節が伸展する肢位が見られることがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. これはMP関節の屈曲とPIP/DIP関節の屈曲・伸展が混在しており、内在筋単独の作用で生じる典型的な肢位ではありません。特にDIP関節の屈曲は深指屈筋の作用であり、内在筋の主な作用とは異なります。正しくは:内在筋が関与する場合、DIP関節も伸展位になることが多いです。選びやすい理由:MP関節屈曲は内在筋の作用なので、一部正しいように見えるかもしれません。混同注意:内在筋と外在筋(特に深指屈筋)の作用が混同されている可能性があります。
- 2. この肢位は「鉤爪指(かぎづめゆび)」として知られ、尺骨神経麻痺などで内在筋が麻痺した場合に生じる典型的な姿勢です。内在筋が機能している状態での作用とは逆の現象です。正しくは:内在筋が機能するとMP関節は屈曲位、PIP/DIP関節は伸展位になります。選びやすい理由:麻痺による肢位として有名なので、それを内在筋の作用と誤解する可能性があります。混同注意:内在筋の『作用』と、内在筋『麻痺時の肢位』が混同されている可能性があります。
- 3. 正解。これは「Intrinsic Plus Hand(内在筋優位手)」と呼ばれる肢位です。手の内在筋(虫様筋、骨間筋)は、MP関節を屈曲させ、同時にPIP関節とDIP関節を伸展させる作用があります。この組み合わせが、内在筋が正常に機能している場合の典型的な肢位です。
- 4. MP関節が伸展位でPIP関節が屈曲位となるのは、内在筋の麻痺や機能不全で見られる肢位です。DIP関節の伸展は内在筋の作用と一致する部分もありますが、MP関節伸展とPIP関節屈曲が内在筋の作用とは異なります。正しくは:内在筋が機能するとMP関節は屈曲し、PIP関節は伸展します。選びやすい理由:DIP関節伸展という一部の要素が内在筋の作用と一致するため、選びそうになるかもしれません。混同注意:部分的な要素が合致するため、全体像を見誤る可能性があります。内在筋の主な作用であるMP関節屈曲が見落とされがちです。
- 5. MP関節の屈曲は内在筋の作用と一致しますが、PIP関節の屈曲は主に浅指屈筋の作用であり、DIP関節の伸展は内在筋の作用ですが、PIP関節の屈曲と同時に生じる典型的な内在筋の肢位ではありません。正しくは:内在筋の作用では、PIP関節は伸展位になります。選びやすい理由:MP関節屈曲は正しいので、一部正解のように感じるかもしれません。混同注意:内在筋と浅指屈筋(外在筋)の作用が混同されている可能性があります。
国試ポイント
この問題は、手の内在筋(虫様筋、骨間筋)の基本的な解剖学と運動学的な作用を正確に理解しているかを問うものです。特に、MP関節とPIP/DIP関節に対する作用が異なる点、そして内在筋が機能している状態と麻痺している状態での肢位の違いを識別できるかが重要です。
混同注意
内在筋の作用と、内在筋麻痺(尺骨神経麻痺など)による「鉤爪指(Intrinsic Minus Hand)」の肢位を混同しやすいです。また、外在筋(特に指屈筋群)の作用と混同することも考えられます。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず「内在筋の作用」と「内在筋麻痺時の肢位」を明確に区別できているかを確認します。次に、MP関節、PIP関節、DIP関節それぞれに対する内在筋の作用(屈曲か伸展か)を正確に思い出します。
関連知識
・手の内在筋(虫様筋、骨間筋、母指球筋、小指球筋)の起始・停止・支配神経とそれぞれの作用。 ・尺骨神経麻痺や正中神経麻痺による手指の変形(鉤爪指、猿手など)。 ・Intrinsic Plus HandとIntrinsic Minus Handの概念。 ・指の屈曲・伸展に関わる複数の筋群(内在筋、長指伸筋、浅指屈筋、深指屈筋)の協調作用。