上腕骨顆上骨折で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
上腕骨顆上骨折は、上腕動脈が骨折部位のすぐ近くを走行しているため、骨折片による血管の圧迫や損傷が起こりやすく、それにより前腕への循環不全(阻血)を生じるリスクが高いです。この循環不全が原因でフォルクマン拘縮という重篤な合併症につながる可能性があるため、早期の発見と対応が非常に重要となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 上腕骨顆上骨折は、主に幼児期から学童期に発生する骨折であり、転落などによる受傷が原因となることが多いです。高齢者に多いのは、例えば上腕骨近位端骨折などです。正しくは:主に小児期(幼児期から学童期)に多い骨折です。選びやすい理由:骨折一般が高齢者に多いというイメージから誤って選択される可能性があります。混同注意:高齢者に多い骨折(大腿骨頸部骨折、橈骨遠位端骨折など)と混同しやすいです。
- 2. 上腕骨顆上骨折は、転位がないか軽度な場合はギプス固定などの保存療法が第一選択となります。高度な転位や開放骨折、神経血管損傷を伴う場合に手術が検討されます。正しくは:転位が軽度な場合は保存療法が原則となります。選びやすい理由:多くの骨折で手術が行われる現代医療のイメージから、原則手術と誤解する可能性があります。混同注意:他の重度な骨折や成人骨折における治療方針と混同しやすいです。
- 3. 上腕骨顆上骨折後の合併症として最も頻繁に見られるのは、内反肘変形です。これは骨折による成長障害や不適切な治療が原因で起こりえます。正しくは:内反肘変形を生じることが多いです。選びやすい理由:肘関節の変形という点で、選択肢の内容自体が合併症としてあり得ることから、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:内反肘と外反肘を混同しやすいです。内反肘は上腕骨顆上骨折の合併症として特徴的です。
- 4. 正解。上腕骨顆上骨折は、骨折部が上腕動脈や正中神経、橈骨神経、尺骨神経と近接しているため、骨折片による圧迫や損傷により、前腕の循環不全(フォルクマン拘縮のリスク)や神経麻痺を生じやすいとされています。特に血流不全は重篤な合併症です。正しくは:(正しい記述のため修正不要)選びやすい理由:(正しい記述のため該当なし)混同注意:(正しい記述のため該当なし)
- 5. 上腕骨顆上骨折は、肘を伸展した状態で手をついて転倒する伸展型が圧倒的に多く、約95%を占めると言われています。屈曲位での受傷は稀です。正しくは:肘関節伸展位での受傷が多いです。選びやすい理由:肘関節の動きの方向という点で、受傷機転としてあり得るという印象から誤って選択される可能性があります。混同注意:伸展型骨折と屈曲型骨折の発生頻度を混同しやすいです。
国試ポイント
上腕骨顆上骨折の疫学(好発年齢)、治療原則、主要な合併症(特にフォルクマン拘縮、内反肘)、および受傷機転に関する基本的な知識が問われています。特に重篤な合併症である循環不全の認識は必須です。
混同注意
上腕骨顆上骨折と他の小児骨折(例:橈骨頭脱臼)や、成人における肘関節周囲の骨折(例:橈骨頭骨折)の特性。また、合併症として内反肘と外反肘、阻血と神経損傷を混同しやすい点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、上腕骨顆上骨折の合併症(特に神経損傷の種類と頻度、フォルクマン拘縮の初期症状)、治療後の機能予後、または受傷後の看護・リハビリテーション介入のポイントが問われる可能性があります。
関連知識
フォルクマン拘縮の病態生理、神経血管損傷の評価(5P'sなど)、内反肘変形の原因と治療。上腕骨顆上骨折の一般的な分類(ガルダント分類など)。