双極性障害と比較した場合のうつ病の特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
うつ病と双極性障害では、遺伝的要因の寄与に差があります。一卵性双生児の罹患一致率は、遺伝的要因の影響度を示す指標の一つです。双極性障害の方がうつ病よりも遺伝的要因の寄与が大きく、それに伴い一卵性双生児の罹患一致率も双極性障害で高くなります。したがって、うつ病の一致率は双極性障害と比較して低いです。
選択肢ごとの解説
- 1. うつ病の生涯有病率は双極性障害よりも高いです(うつ病は約10-15%、双極性障害は約1%)。正しくは:有病率が高い。選びやすい理由:どちらかの障害がより一般的であるという知識はあっても、具体的な数値比較を覚えていない場合、推測で選んでしまう可能性があります。混同注意:双極性障害が重篤な疾患であるという印象から、有病率が低いと誤解することがあります。
- 2. 双極性障害の平均初発年齢は20歳前後で、うつ病の20代半ばから30代よりも低い傾向にあります。正しくは:平均初発年齢が高い。選びやすい理由:うつ病が若年層でも発症することから、初発年齢が低いと勘違いするかもしれません。混同注意:どちらの疾患も若年での発症があるため、具体的な平均年齢を把握していないと混同しやすいです。
- 3. うつ病は女性に多く(男女比1:2程度)、双極性障害は男女差が小さい(ほぼ1:1)とされています。そのため、うつ病の方が有病率の男女差は大きいと言えます。正しくは:有病率の男女差が大きい。選びやすい理由:「男女差が小さい」という表現が、どちらかの疾患に当てはまるという曖昧な知識で選んでしまう可能性があります。混同注意:うつ病の男女差が大きいことを忘れて、双極性障害と混同してしまうことがあります。
- 4. 正解。うつ病の一卵性双生児の罹患一致率は約50%前後で、双極性障害の約60-80%と比較して低いとされています。これは、双極性障害の方がうつ病よりも遺伝的要因の寄与が大きいことを示唆しています。選びやすい理由:精神疾患における遺伝的要因の寄与度の違いについて正確な知識がないと判断が難しいですが、この選択肢は両疾患の遺伝的背景の差を明確に表しています。
- 5. うつ病は、身近な人の死、失業、人間関係の問題などの状況要因(ストレス要因)が誘因となって発症することが多いです。双極性障害は生物学的要因の寄与が大きく、状況要因単独での発症は比較的少ない傾向があります。正しくは:状況要因が誘因となって発症することが多い。選びやすい理由:精神疾患全般がストレスで悪化するイメージから、どちらにも当てはまると考えてしまうことがあります。混同注意:うつ病の誘発要因としてストレスが重要であることを忘れ、生物学的要因がより強い双極性障害と混同することがあります。
国試ポイント
精神疾患における遺伝的要因の寄与度、有病率、初発年齢、男女差、誘因といった疫学的・病因論的特徴の違いを正確に理解しているかが問われる問題です。特に、双極性障害とうつ病の比較は頻出のテーマです。
混同注意
各精神疾患の疫学的データ(有病率、男女差、初発年齢)や病因論(遺伝要因、環境要因)に関する数値や傾向が混同しやすいポイントです。特に、似た症状を示すこともあるため、それぞれの疾患の特性を明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合は、統合失調症や不安障害などの他の主要な精神疾患についても、疫学(有病率、発症年齢、性差)や病因(遺伝的要因、環境要因)を比較する問題に注意が必要です。
関連知識
DSM-5による診断基準、各精神疾患の薬物療法や精神療法、病態生理学、心理社会的要因と生物学的要因の相互作用。