小児自閉症について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
自閉スペクトラム症の疫学調査では、一般的に男児の方が女児よりも発症頻度が高いことが示されています。具体的な男女比は研究によって異なりますが、女児より男児に多く出現するという傾向は一貫しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 自閉スペクトラム症の多くは、3歳頃までの乳幼児期に社会性やコミュニケーションの問題として症状が顕著になります。学童期になって初めて発症するわけではありません。正しくは:症状は乳幼児期(多くは3歳頃まで)に明らかになることが多い。選びやすい理由:学童期に診断されるケースもあるため、誤解しやすい。混同注意:診断の時期と症状の出現時期の混同。
- 2. 自閉スペクトラム症は神経発達症の一つであり、脊椎変形のような身体構造の異常を直接的に引き起こすものではありません。このような身体的合併症は一般的ではありません。正しくは:脊椎変形のような身体的合併症は自閉スペクトラム症に直接関連しない。選びやすい理由:他の発達障害(例:一部の症候群)では身体奇形を伴うことがあるため、混同しやすい。混同注意:自閉スペクトラム症と遺伝子疾患や症候群に伴う発達障害の混同。
- 3. 正解。疫学的に、自閉スペクトラム症は女児よりも男児に多く見られるとされています。一般的には男児のほうが女児の数倍多いと報告されています。
- 4. 自閉スペクトラム症の約半数は知的障害(精神遅滞)を併発していると報告されており、「稀である」というのは誤りです。知的機能の程度は個人差が大きいです。正しくは:精神発達の遅れ(知的障害)を伴うケースは少なくない。選びやすい理由:知的な遅れがない、または高機能の自閉症スペクトラム症の存在を知っていると、全体像を誤解しやすい。混同注意:「高機能自閉症」と自閉スペクトラム症全体の知的機能の分布の混同。
- 5. 自閉スペクトラム症におけるてんかんの合併率は一般人口より高いものの、約20-30%程度とされており、「大部分」や「ほとんど」の症例でてんかんを認めるという表現は適切ではありません。正しくは:一部の症例でてんかんを合併することがあるが、大部分ではない。選びやすい理由:てんかん合併率が高いことは事実なので、その程度を過大評価しやすい。混同注意:合併率が「高い」と「大部分」の間の程度の混同。
国試ポイント
この問題は、自閉スペクトラム症(ASD)の基本的な疫学、発症時期、合併症に関する知識が問われています。特に性差、知的障害の有無、てんかんの合併率など、頻出のポイントが選択肢に含まれています。
混同注意
自閉スペクトラム症の診断基準、他の神経発達症との鑑別、併存疾患の頻度など。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、ASDの診断基準の中核的な症状、早期発見の重要性、具体的な療育方法、またはDSM-5での名称変更(広汎性発達障害から自閉スペクトラム症へ)に関する知識が問われる可能性があります。
関連知識
DSM-5における自閉スペクトラム症の診断基準(社会性・コミュニケーションの障害、限定された興味・反復行動)、発症早期からの兆候(視線が合わない、指差ししないなど)、合併しやすい他の発達障害(ADHDなど)、療育の重要性。