病室で患者が倒れている場面に遭遇した。緊急時対応として作業療法士が最初に行うことはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
緊急時に単独で対応するよりも、複数の医療スタッフが連携して対応することで、患者の安全確保、正確な状況判断、迅速な処置が可能となります。特に転倒のように原因不明で、二次損傷の可能性がある状況では、まず応援を呼び、安全な環境を確保した上で、患者の状態評価や適切な処置を行うのが原則です。
選択肢ごとの解説
- 1. 転倒した患者をすぐに起こすことは危険です。意識レベルや外傷の有無、骨折のリスクなどを評価せずに動かすと、状態を悪化させる可能性があります。特に頭部外傷や脊椎損傷の可能性がある場合は、安易に動かしてはなりません。正しくは:患者を動かす前に、意識レベル、呼吸状態、出血の有無などを確認し、必要に応じて医療スタッフの応援を要請するべきです。選びやすい理由:患者を助けたいという気持ちから、早く元に戻そうとしてしまいがちです。混同注意:患者を放置してはいけないという思いと、何を優先すべきかの判断が混同しやすいです。
- 2. 主治医への連絡は重要ですが、「最初に行うこと」としては不適切です。まずは患者の安全確保、周囲への応援要請が優先されます。主治医がすぐに電話に出られない可能性や、現場での状況把握・初期対応の方が緊急度が高いです。正しくは:患者の安全確保と応援要請が完了し、状況が落ち着いてから、主治医に連絡するべきです。選びやすい理由:医師への報告が重要な医療行為であるため、すぐに連絡すべきと考えてしまうことがあります。混同注意:情報共有の重要性と、初期対応の優先順位が混同しやすいです。
- 3. 転倒直後の患者に車椅子を使用できるかどうかは不明であり、車椅子を取りに行く行動は患者から目を離すことになり、危険です。また、患者が意識不明や骨折している場合、車椅子への移動は不適切です。正しくは:患者の状態を評価し、安全が確認された上で、必要であれば適切な移乗方法を検討し、車椅子を手配するべきです。選びやすい理由:転倒=起き上がらせる=車椅子で移動、という安直な連想をしてしまいがちです。混同注意:移動補助具の必要性と、緊急時の初期対応の優先順位が混同しやすいです。
- 4. 正解。緊急事態において、まず行うべきは自身の安全確保と、応援の要請です。複数の医療スタッフが協力することで、患者の安全確保、状態評価、必要な処置、情報伝達などを迅速かつ適切に行うことができます。これにより、患者の二次的損傷を防ぎ、適切な医療介入へと繋がります。
- 5. バイタルサインの確認は非常に重要であり、緊急対応の一部ではありますが、「最初に行うこと」としては、まず周囲への応援要請が優先されます。一人でバイタルサインを確認している間に、患者の状態が急変したり、より専門的な介助が必要になったりした場合に対応が遅れる可能性があります。応援を呼んでから、複数で役割分担して確認・対応するのが望ましいです。正しくは:応援を呼んだ後、または応援が到着してから、複数スタッフで役割分担してバイタルサインを確認するべきです。選びやすい理由:バイタルサインの確認が医療従事者にとって非常に重要な評価項目であるため、すぐに確認すべきだと考えてしまうことがあります。混同注意:患者の状態評価の重要性と、緊急時の初動における安全確保・応援要請の優先順位が混同しやすいです。
国試ポイント
緊急時の初期対応における優先順位。特に、単独での対応限界を理解し、応援要請の重要性を認識しているかが問われます。患者の安全確保(二次損傷の防止)が最優先事項であり、次に周囲への応援要請がきます。その後に具体的な状態評価や処置に移るという一連の流れを理解しているかを確認します。
混同注意
患者への直接的な介入(起こす、バイタルサイン確認)と、周囲への間接的な介入(応援要請)のどちらが最初か。また、医師への報告の重要性と、現場での初動対応の優先順位が混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、「誰か他の人を呼ぶ(応援要請)」という選択肢があれば、それが最優先である可能性が高いです。もし応援要請に関する選択肢がない場合、または応援を呼んだ後の段階を問われた場合は、BLSの手順や患者の状態評価(意識、呼吸、出血など)の確認が次の判断となります。特に「最初に行うこと」という条件を見落とさないように注意が必要です。
関連知識
BLS(一次救命処置)の手順(意識確認、応援要請、気道確保、人工呼吸、胸骨圧迫)も同様に、まず応援を呼ぶことが重要です。医療現場における緊急対応プロトコルや、転倒・転落時の対応マニュアルについても学習しておきましょう。