統合失調症の家族心理教育において適切なのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
統合失調症の家族心理教育は、家族の病気への理解を深め、対処能力を向上させることを主な目的とします。これにより、家族の負担を軽減し、患者の再発防止にも寄与することが多くの研究で示されており、その効果には科学的根拠があります。EE(表出感情)は再発と関連するため、心理教育ではこれを低減させる方向で介入が行われます。
選択肢ごとの解説
- 1. 家族心理教育は、家族を患者の病気の原因とする考え方ではなく、家族が病気と向き合い、患者をサポートしていくための知識とスキルを提供することを目的としています。家族を病気の原因とすることは、家族に不必要な罪悪感を与え、心理教育の本来の目的から逸脱します。正しくは:家族を精神疾患の原因ととらえるのではなく、サポートシステムの一員と見なし、病気への理解を深めることを目的とします。選びやすい理由:家族が病気の原因と疑われるケースもあるという誤解から、選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:患者の言動が家族関係に影響を与えることと、家族が病気の直接的な原因であるという見方を混同する可能性があります。
- 2. 統合失調症の家族心理教育は、主に認知行動療法やシステム論を基盤としており、病気への理解を深め、コミュニケーションスキルや対処能力の向上を目指します。精神分析理論は、統合失調症の家族心理教育の主な基盤ではありません。正しくは:主に認知行動療法やストレス・脆弱性モデルなどを基盤として行われます。選びやすい理由:心理療法全般に精神分析理論が広く使われるという誤解から、選んでしまう可能性があります。混同注意:様々な心理療法のアプローチがある中で、統合失調症の家族心理教育における主要な理論的背景を特定できない場合、他の理論と混同する可能性があります。
- 3. 正解。統合失調症の家族心理教育の重要な目的の一つは、家族が病気の症状、経過、治療法を理解し、ストレス管理やコミュニケーションの改善を通じて、患者を支援しつつ自分たちも健康に生活していくための対処能力を向上させることです。
- 4. 正解。統合失調症の家族心理教育は、再発率の低下、患者の服薬アドヒアランスの向上、家族の負担軽減といった効果について、多くの研究でその有効性が示されており、科学的根拠に基づいた介入として広く推奨されています。
- 5. EE(Expressed Emotion:表出感情)は、家族の患者に対する否定的、批判的、過干渉的な感情を指し、これが高いと統合失調症の再発リスクが高まることが知られています。したがって、家族心理教育ではEEを『低減』させることを目指します。正しくは:EE(表出感情)を低減させる指導を行います。選びやすい理由:EEという専門用語に馴染みがなく、その意味を取り違えてしまう可能性があります。混同注意:EEが何を意味し、統合失調症の予後にどのように影響するかを理解していない場合、誤った選択をしてしまう可能性があります。
国試ポイント
この問題は、統合失調症の家族心理教育の目的、理論的背景、およびその効果に関する基本的な知識を問うものです。特に、家族を病気の原因としないこと、特定の理論的アプローチ、そして再発防止という重要な効果を理解しているかがポイントになります。専門用語(EE)の意味も問われています。
混同注意
家族を病気の原因とすることと、家族が病気の経過に影響を与えることの区別。様々な心理療法の理論と、家族心理教育の主な基盤となる理論の区別。EE(表出感情)の意味と、それを高めるべきか低めるべきかの判断。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、統合失調症の家族心理教育の具体的な介入内容(例:病気についての情報提供、ストレス管理、コミュニケーションスキルの練習)や、対象者(例:患者本人だけでなく家族全体)について問われる可能性があります。
関連知識
統合失調症の病態生理、薬物療法、作業療法介入のポイント。精神科リハビリテーションにおける多職種連携。社会資源の活用。精神分析理論、認知行動療法、システム論の基本的な概念。EE(表出感情)の概念と臨床的意義。