パルスオキシメータで計測する酸素飽和度について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
パルスオキシメーターは、拍動する動脈血中の酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンが、それぞれ異なる波長(赤色光約660nm、赤外光約940nm)の光を吸収する特性を利用して、酸素飽和度を非侵襲的に測定します。この原理は、ランバート・ベールの法則に基づいています。
選択肢ごとの解説
- 1. 健常成人のSpO2は通常95%以上です。85~90%は低酸素状態を示します。正しくは:健康な成人における一般的な測定値は95%以上です。選びやすい理由:数値の範囲に意識が向くため、特定の病態での値と混同しやすいかもしれません。混同注意:慢性呼吸器疾患患者などの目標SpO2値(88-92%など)と混同することがあります。
- 2. 正解。パルスオキシメーターは、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光度の違いを利用しており、それぞれのヘモグロビンが吸収しやすい赤色光と赤外光を用いて測定を行います。
- 3. パルスオキシメーターは拍動による血流の変化を感知して測定するため、末梢循環障害(低灌流、抹消冷感など)がある場合は測定値が不正確になるか、測定自体が困難になります。正しくは:血行不良の状況下では正確な測定が困難になることがあります。選びやすい理由:医療機器としての信頼性から、どのような状況でも正確だと誤解する可能性があります。混同注意:動脈血ガス分析と比較して簡便であるため、その精度の限界を見落としがちです。
- 4. SpO2とPaO2の関係はヘモグロビン酸素解離曲線によって示され、S字状のカーブを描きます。特にPaO2が60mmHgを超えると曲線はプラトーとなり、SpO2はほとんど変化しなくなります。そのため、直線的な比例関係ではありません。正しくは:動脈血酸素分圧(PaO2)とはS字状のヘモグロビン酸素解離曲線で関連づけられます。選びやすい理由:酸素の指標であるため、PaO2と直接的な関係があると考えやすいです。混同注意:SpO2が酸素化の指標であることから、PaO2と単純な比例関係にあると混同しがちです。
- 5. 歩行中の体動や運動による末梢血流の変化、周囲光の影響などにより測定が困難になることはありますが、専用の機器や工夫により測定は可能です。特にシャトルウォーキングテストなどでは歩行中のSpO2を測定します。正しくは:歩行中も工夫次第で測定が可能です。選びやすい理由:体動によるアーチファクト(ノイズ)が多いことから、測定が不可能だと誤解しやすいです。混同注意:測定の不安定性と、測定不能を混同することがあります。
国試ポイント
パルスオキシメータの測定原理、正常値、測定における注意点や限界が問われています。特に測定原理である「光の波長」と「吸光度」、そして酸素解離曲線に関する理解が重要です。
混同注意
パルスオキシメーターの測定原理と、動脈血ガス分析の測定原理、またはSpO2とPaO2の単純な比例関係を混同しやすい。また、正常値の範囲や測定困難な状況も引っ掛けとしてよく出題されます。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、パルスオキシメーターの測定値に影響を与える因子や、動脈血ガス分析との違い、あるいは各疾患におけるSpO2の目標値などが問われる可能性が高いと予測されます。また、SpO2が低下した際の対応についても確認しておくと良いでしょう。
関連知識
ヘモグロビン酸素解離曲線、動脈血ガス分析、低酸素血症の基準、COPD患者の目標SpO2値、パルスオキシメーターのアーチファクト発生要因(体動、マニキュア、周囲光、不整脈、低灌流、貧血など)。