「昨夜の夕飯のおかずは何でしたか」という質問で評価できる記憶で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
「昨夜の夕飯のおかず」という質問は、数時間前〜1日前の具体的な出来事に関する情報を引き出すものであり、これは近時記憶の範囲に該当します。近時記憶は、数分から数日程度の比較的短い期間の情報を保持する能力を指します。その他の記憶は、保持期間や内容の種類が異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 遠隔記憶は、何年も前の出来事や長期にわたる知識を指します。昨夜の夕食は、より最近の出来事であるため、遠隔記憶には該当しません。正しくは:遠隔記憶は、個人の生い立ちや過去の重要な出来事、一般的な知識など、数ヶ月から数十年単位の古い情報を指します。選びやすい理由:「記憶」という広い概念で捉えると、どれも記憶の種類であるため、安易に選んでしまう可能性がある。混同注意:近時記憶と混同しやすいが、保持期間の長さで区別される。
- 2. 正解。近時記憶は、数分から数日前の比較的新しい出来事や情報を保持する能力を指します。昨夜の夕食の内容は、この近時記憶によって想起される情報に該当します。正しくは:近時記憶は、数分から数日程度の短い期間に経験した出来事や情報を覚えている能力を指します。
- 3. 作動記憶は、情報を一時的に保持し、同時に操作する能力を指します。計算をする際や、話を聞きながら要点を理解する際などに用いられます。単に昨夜の出来事を思い出す行為とは異なります。正しくは:作動記憶は、限られた容量の情報を短時間保持しながら、同時にその情報を処理・操作する認知機能です。選びやすい理由:「記憶」の一種であるため、機能として関連があるように見える。混同注意:即時記憶(短時間保持する)と混同しやすいが、作動記憶はさらに情報処理の側面が加わる。
- 4. 即時記憶は、数秒から数十秒程度の非常に短い時間に情報を保持する能力を指します。例えば、電話番号を一時的に覚える際などに使われます。昨夜の夕食は、即時記憶よりも保持期間が長い情報です。正しくは:即時記憶は、五感を通して受け取った情報を数秒から数十秒程度、意識に保持する非常に短期的な記憶です。選びやすい理由:「近い」という意味で近時記憶と混同し、即時記憶を選んでしまう可能性がある。混同注意:近時記憶や作動記憶と混同しやすいが、保持時間と情報処理の有無で区別される。
- 5. 手続き記憶は、自転車の乗り方や楽器の演奏方法など、身体の動かし方や技能に関する記憶です。昨夜の夕食の内容のような、具体的な出来事(エピソード)を思い出す記憶とは異なります。正しくは:手続き記憶は、意識することなく自動的に行える動作や技能に関する記憶です(例:箸の使い方、文字を書く動作)。選びやすい理由:「記憶」の種類の一つであるため、知識が曖昧だと誤って選ぶ可能性がある。混同注意:陳述記憶(エピソード記憶、意味記憶)と対比されることが多く、その区別が不明瞭だと混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、記憶の種類とその具体的な内容を適切に結びつけられるかを問う典型的な知識問題です。特に近時記憶、遠隔記憶、即時記憶の期間の違いや、作動記憶、手続き記憶といった機能的記憶との区別を正確に理解しているかが重要になります。
混同注意
近時記憶と即時記憶、作動記憶の区別が曖昧になりやすい。即時記憶は数秒〜数十秒、近時記憶は数分〜数日、遠隔記憶はそれ以前の長期間の記憶と、保持期間で明確に区別することが求められます。作動記憶は、短期的な情報保持に加えて情報処理の側面がある点で異なります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点で出題された場合、特定の期間や内容の記憶がどの記憶の種類に分類されるか、具体的な例と結びつけて判断できるかがポイントとなります。例えば、「数日前の買い物リストを思い出す」「子どもの頃の運動会を思い出す」といった具体的なシナリオで、適切な記憶の種類を選択できるかを確認しましょう。
関連知識
記憶は大きく分けて、短期記憶と長期記憶に分類されます。短期記憶には即時記憶や作動記憶が含まれ、長期記憶には陳述記憶(エピソード記憶、意味記憶)と非陳述記憶(手続き記憶、プライミング、古典的条件づけなど)が含まれます。近時記憶は、長期記憶の中でも比較的最近のエピソード記憶を指すことが多いです。