構成的作業としての特徴を最も有している描画方法はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
構成的作業とは、あらかじめ定められた目標や枠組みに基づいて、要素を順序立てて組み合わせ、全体を組み立てていく活動を指します。塗り絵は、見本という完成形があり、その線画(構造)に従って色という要素を当てはめていく明確なルールと目標を持つ活動であり、構成的作業の特徴を最も強く有しています。他の選択肢は、写生やモデル描写のように現実を再現する活動、あるいはテーマ画や想像画のように個人の解釈や創造性が主体となる活動であり、要素を特定の構造に沿って組み立てるという構成的側面は比較的弱いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 写生は自然な風景をそのまま描写する活動であり、特定のルールや構造に従って要素を組み立てる「構成的作業」の要素は比較的少ないです。観察力が主体となります。正しくは:屋外の景色を観察しながら、特定の指示に従って配置や色彩を組み立てて描く。選びやすい理由:絵を描くこと自体が構成的な要素を含むため、選択肢として魅力的。混同注意:「構成的」という言葉を「絵を描くこと全般」と誤解しやすい。
- 2. モデル描写は、対象物の形や色を忠実に再現することが主眼であり、描画する人が自由に要素を構成する側面は限定的です。写生と同様に観察と再現が中心となります。正しくは:モデルを見ながらも、与えられた構成要素(例:幾何学図形)を組み合わせて描く。選びやすい理由:写生と同様、絵を描く行為そのものに構成的な要素を感じるため。混同注意:「モデルを再現する」ことと「要素を構成する」ことの違いが曖昧になる。
- 3. 与えられたテーマに基づいて描く場合、テーマの解釈や表現は自由であり、具体的な指示や制約が少ないため、「構成的」というよりは「創造的」「表現的」な要素が強くなります。構成要素の自由度が高いです。正しくは:与えられたテーマに加え、特定の形や色、配置のルールに従って絵を描く。選びやすい理由:「与えられたテーマ」という言葉から、何らかの制約や構成を連想する。混同注意:「テーマに沿う」ことと「具体的な指示に従って構成する」ことの区別がつきにくい。
- 4. 想像画は、描く人の内面から自由に発想されるものであり、外部からの特定の構造や指示に従って要素を組み立てる「構成的作業」とは対極にあります。自由な表現が目的です。正しくは:想像したものを、指定された幾何学的なルールや素材を使って構成して描く。選びやすい理由:絵を描くこと自体が構成を含むと考える誤解。混同注意:「自由な発想」と「構成的思考」の混同。
- 5. 正解。塗り絵は、すでに描かれた線画(構造)があり、その内部を特定の色(見本がある場合はそれに従う)で埋めていく作業です。これは、決められた枠組みの中で色という要素を配置していく、明確な「構成的作業」の特徴を最もよく表しています。完成形が明確に定義されており、それに沿って作業を進めます。
国試ポイント
作業療法における「構成的作業」の定義とその具体例を理解しているかが問われています。特に、与えられた枠組みの中で要素を組み立てるという本質を把握しているかどうかが重要です。
混同注意
「創造的作業」「表現的作業」「再現的作業」などとの違い。構成的作業は、ある意味で「目標志向的」「ルールに基づいた」作業という側面に焦点を当てています。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、「構成的作業とは、明確な目標や指示の下で、要素を組み立てていく活動である」という定義に合致するかどうかで判断します。特に、自由度が高いか、具体的なルールがあるか、という点に注目します。
関連知識
構成的作業は、高次脳機能障害(特に構成障害)のリハビリテーションや、発達段階における認知機能の発達評価などで用いられる概念です。積み木、パズル、工作なども構成的作業に分類されます。