30歳の男性。左上腕切断短断端。右利き。肘継手の屈曲および手先の開閉コントロールを行い、「釘打ちがしたい」との希望があり、上腕義手を作製することになった。選択する義手のパーツとして適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
上腕切断の男性が釘打ちという細かい作業を希望しており、肘の屈曲と手先の開閉コントロールを行う義手では、能動肘ブロック継手により肘関節の屈曲・伸展をロックし、安定した状態で釘打ち作業を行うことが可能になるため適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. オープンショルダーソケットは肩関節離断の症例に用いられるソケットであり、上腕切断の症例には不適切です。正しくは:上腕切断のソケットは、一般的に肩関節を覆わない形状となります。選びやすい理由:ソケットは義手の重要なパーツであり、用語として耳にすることが多いため。混同注意:ソケットの種類と切断部位の対応関係。
- 2. リュックサックハーネスは、義手を体幹に固定するためのハーネスの一種ですが、上腕切断義手では一般的にチェストストラップハーネスやフィギュアエイトハーネスが用いられ、リュックサックハーネスは肩義手などで用いられることが多いです。また、この問題で問われているのは肘と手のコントロールに関するパーツです。正しくは:上腕義手にはチェストストラップハーネスやフィギュアエイトハーネスを使用します。選びやすい理由:ハーネスは義手を装着するための重要な構成要素であるため。混同注意:ハーネスの種類とそれぞれの適用切断部位。
- 3. 単式コントロールケーブルシステムは、一つの動き(例:肘の屈曲または手先の開閉)のみをコントロールするシステムであり、肘継手の屈曲と手先の開閉の両方をコントロールする必要がある本症例には不十分です。両方をコントロールするには複式コントロールケーブルシステムが必要です。正しくは:肘の屈曲と手先の開閉の両方をコントロールするには複式コントロールケーブルシステムを選択します。選びやすい理由:コントロールケーブルシステムは義手の操作に不可欠な部分であり、単式という言葉からシンプルな機能であると想像しやすい。混同注意:単式コントロールと複式コントロールの機能の違い。
- 4. 正解。能動肘ブロック継手は、義手の肘関節を能動的にロック・アンロックする機能を持つ継手です。本症例では「釘打ちがしたい」という具体的な要望があり、肘を固定できるブロック継手は、釘打ちの際に安定性を提供し、作業を容易にするため適切です。選びやすい理由:能動肘という言葉から、患者の意思で肘を動かせるというイメージが直感的に理解できるため。混同注意:受動肘継手や、肘の自動ロック機能を持たない単純な肘継手。
- 5. 能動ハンドは手先の開閉を能動的にコントロールするパーツであり、本症例の「手先の開閉コントロール」には必要ですが、「肘継手の屈曲」のコントロールには寄与しません。問題は「選択する義手のパーツとして適切なのはどれか」と単数解答を求めており、肘の安定性が求められる釘打ちにおいて能動肘ブロック継手がより直接的なメリットを提供するため、能動ハンドだけでは不十分です。正しくは:能動ハンドは手先の開閉コントロールのために必要ですが、肘の屈曲や固定には能動肘ブロック継手が必要です。選びやすい理由:「手先の開閉コントロール」という記述から、直接的にハンドを連想しやすいため。混同注意:肘継手と手先の機能の分離、およびそれぞれのコントロール方法。
国試ポイント
上腕義手の各パーツの機能と、患者の活動レベルや要望に応じた選択基準を理解することが重要です。
混同注意
上腕義手の能動肘継手と能動ハンドの機能は混同しやすいですが、能動肘継手は肘の動きを、能動ハンドは手先の開閉をそれぞれコントロールします。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、患者の切断部位、残存機能、および具体的な希望する動作を最優先に確認し、それに合致する義手の機能を選択します。
関連知識
義手には、装着者の筋力や残存機能に応じた様々なコントロールシステム(例:単式、複式)や、義手の種類(能動義手、受動義手、筋電義手)があり、それぞれ特徴が異なります。