措置入院を規定する法律はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
措置入院は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)によって規定される強制入院制度の一つです。この法律は、精神障害者の医療・保護、社会復帰の促進、自立と社会参加の支援を目的としており、精神医療における様々な入院形態を定めています。
選択肢ごとの解説
- 1. 障害者基本法は、障害者の自立や社会参加を促進するための基本的な理念や施策の方向性を示す法律であり、個別の入院制度を規定するものではありません。正しくは:障害者基本法は、障害者の権利擁護と基本原則を定めています。選びやすい理由:「障害者」という言葉が入っているため、精神障害に関する事項と関連があるように見えやすいです。混同注意:精神保健福祉法が精神疾患を持つ人の入院に関する法律であるのに対し、障害者基本法は障害者全般の基本的な権利や政策に関する理念法です。
- 2. 正解。精神保健福祉法は、精神障害者の医療及び保護、社会復帰の促進、自立と社会参加の支援などを目的とし、措置入院を含む精神科医療における強制入院制度を具体的に規定しています。都道府県知事の命令により行われる措置入院は、この法律の重要な柱の一つです。正しくは:正答のため修正不要です。選びやすい理由:正答です。混同注意:他の障害者関連法規と混同しやすいですが、精神障害者の強制入院を規定するのは本法です。
- 3. 障害者差別解消法は、障害者に対する不当な差別的取扱いを禁止し、合理的配慮の提供を義務付けることで、障害者の権利利益を擁護することを目的としており、入院制度を直接規定するものではありません。正しくは:障害者差別解消法は、障害者への差別の禁止と合理的配慮の提供について定めています。選びやすい理由:「精神障害者」も法の対象となるため、関連する法律のように見えやすいです。混同注意:精神保健福祉法が特定の状況下での強制入院を規定するのに対し、障害者差別解消法は日常生活における差別解消を目的としています。
- 4. 障害者総合支援法は、障害福祉サービスや地域生活支援事業などを通じて、障害者の日常生活や社会生活を総合的に支援することを目的としており、強制入院制度を直接規定するものではありません。正しくは:障害者総合支援法は、障害福祉サービス等の提供について定めています。選びやすい理由:多くの「障害者」が利用する福祉サービスに関わる法律であるため、精神障害者の生活全般と深く関連していると誤解しやすいです。混同注意:精神保健福祉法が入院・治療に関する部分が大きい一方、障害者総合支援法は主に地域生活での福祉サービスに焦点を当てています。
- 5. 医療観察法は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対して、適切な医療を受けさせ、社会復帰を促進するための制度を定めていますが、これは措置入院とは異なる制度です。措置入院は、自傷他害のおそれがある精神障害者に対する一般的な強制入院であり、医療観察法は特定の重大な他害行為を行った者に特化しています。正しくは:医療観察法は、特定の重大な他害行為を行った精神障害者に対する医療と観察について定めています。選びやすい理由:「精神障害」と「他害行為」というキーワードが措置入院と共通しているため、非常に混同しやすいです。どちらも強制的な医療介入を伴います。混同注意:措置入院が精神保健福祉法に基づき、自傷他害のおそれのある精神障害者を対象とするのに対し、医療観察法は『重大な他害行為を行った結果』として心神喪失等が認められた特定の犯罪者を対象とする点で異なります。
国試ポイント
精神保健福祉法における各種入院形態(任意入院、医療保護入院、措置入院、応急入院)の定義と根拠法規を正確に理解しているかが問われる。特に措置入院は、都道府県知事の権限で行われること、自傷他害のおそれがある場合に適用されることなど、その特殊性を理解しておく必要がある。
混同注意
精神保健福祉法、医療観察法、障害者総合支援法といった、精神障害者に関連する複数の法律の目的や内容が混同しやすい。特に医療観察法は、措置入院と似た強制的な医療介入を含むため、その違いを明確に理解する必要がある。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、措置入院以外の入院形態(医療保護入院や任意入院など)の根拠法や要件、あるいは医療観察法の具体的な適用条件が問われる可能性があるため、各入院形態の詳細な違いを再確認する。
関連知識
精神保健福祉法には、措置入院の他に、任意入院、医療保護入院、応急入院といった入院形態が存在します。それぞれの入院形態の要件、決定主体、期間、解除要件などを把握しておくことが重要です。また、医療観察法との比較として、対象となる行為や目的の違いも押さえておく必要があります。