強直間代けいれんの発作時の対応で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
強直間代けいれん発作時は、まず患者の安全を確保することが最優先です。具体的には、周囲の危険物を除去し、頭部保護を行うなどです。発作そのものを止めることは困難であり、無理に身体を抑えたり、口に物を入れたりすることは、患者に二次的な外傷を引き起こすリスクがあります。発作の状況(開始時間、持続時間、けいれんの様式、意識レベル、呼吸状態など)を詳細に観察し記録することは、その後の診断や治療方針の決定に不可欠な情報となるため、非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. けいれんしている四肢を無理に抑えつけると、骨折や脱臼などの二次的な外傷を引き起こす危険性があります。また、患者の安全を確保する上で効果的な方法ではありません。正しくは:患者の周囲の危険物を除去し、頭部を保護するなど、安全な環境を確保する。選びやすい理由:患者の動きを止めようとする行為は、何らかの助けになるという心理から選びやすいかもしれませんが、実際には危険です。混同注意:患者の安全確保と、身体の拘束を混同している可能性があります。安全確保は環境から危険を取り除くことを指し、身体の拘束は避けるべきです。
- 2. けいれん中に無理に口に物を入れると、歯が折れたり、その物が気道を塞いで窒息を引き起こしたりするリスクがあります。また、患者の舌を噛むのを防ぐ効果も証明されていません。正しくは:口の中には何も入れず、開いているのであれば横向きにして、唾液や嘔吐物による窒息を防ぐ。選びやすい理由:舌を噛むのを防ぐという目的で、昔から一般的に行われていたとされる対応ですが、現在のガイドラインでは推奨されていません。混同注意:舌を噛むことへの不安と、気道確保や安全な対応が混同されている可能性があります。
- 3. 正解。発作の正確な状況(開始時刻、持続時間、けいれんのパターン、意識レベル、目の動きなど)を記録することは、医師が病態を把握し、適切な診断や治療方針を決定する上で非常に重要です。患者の安全を確保しつつ、冷静に観察と記録を行うことが求められます。
- 4. けいれん発作中に刺激を与えても、意識の回復にはつながりません。むしろ、患者を興奮させたり、無駄に体力を消耗させたりする可能性があります。発作中は安静を保つことが基本です。正しくは:発作中は無理に意識を回復させようとせず、周囲の安全確保と発作の観察に努める。発作終了後、意識が回復するのを静かに見守る。選びやすい理由:意識障害がある場合に刺激を与えて反応を見るのは一般的な評価方法であるため、発作時にも応用しようと考えるかもしれませんが、発作中は不適切です。混同注意:普段の意識レベル評価と、けいれん発作時の特別な対応を混同している可能性があります。
- 5. 発作終了直後は意識が完全に回復していないことが多く、薬を飲ませると誤嚥のリスクがあります。また、多くの場合、通常の抗てんかん薬は発作を止める効果はないため、急いで服用させる必要はありません。正しくは:発作が完全に収まり、患者の意識がはっきりして安全に嚥下できる状態になってから、医師の指示に基づいて抗てんかん薬を服用させる。選びやすい理由:薬を飲むことで発作が治まると考えるかもしれませんが、それは通常の服薬習慣であり、発作直後の緊急対応としては誤りです。混同注意:日常の服薬管理と、緊急時の服薬対応を混同している可能性があります。発作時は経口薬の即効性は期待できず、誤嚥のリスクを避けることが重要です。
国試ポイント
けいれん発作時の初期対応に関する知識が問われています。特に、誤った対応(体を抑える、口に物を入れるなど)と正しい対応(安全確保、観察・記録)の区別が重要です。国家試験では、緊急時の適切な医療的判断が求められることが多いです。
混同注意
けいれん発作時に「何かをしてあげなければ」という焦りから、不適切な介助行動を選んでしまいがちです。特に、体を抑える、口に物を入れるといった民間療法的な対応は誤りであると認識しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、発作の種類(部分発作、欠神発作など)ごとの対応の違いや、特定の疾患(例:熱性けいれん)における対応の特殊性、あるいは発作後の回復期における観察項目などが問われる可能性があります。
関連知識
てんかんの病態生理、てんかん発作の種類とその特徴、発作時の救急対応プロトコル(安全確保、体位、観察項目)、抗てんかん薬の作用と副作用、Status epilepticus(てんかん重積状態)とその対応。