代謝で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
代謝当量(METs)は、運動や活動の強度を評価する際に用いられる指標です。その基準は「安静座位時」の代謝量を1 METとしています。選択肢5では「安静臥位時」と記載されており、厳密にはこの点が誤りとなります。安静臥位時の代謝量は、安静座位時よりもわずかに低いことが知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 呼吸商は、消費される酸素量と産生される二酸化炭素量の比率であり、糖質、脂質、タンパク質のどの栄養素がエネルギー源として使われているかによって値が異なります。例えば、糖質は1.0、脂質は約0.7です。したがって、この記述は正しいです。選びやすい理由:代謝の基本的な知識として認識されやすいため、正解に見えやすいです。混同注意:呼吸商が変動する要因について誤解している場合。
- 2. 特異動的作用(SDA)は、食事を摂ることで消化吸収や代謝活動が活発になり、その結果として体内で熱が産生され、体温が上昇する現象です。特にタンパク質を摂取した際に顕著に現れます。したがって、この記述は正しいです。選びやすい理由:食物摂取後の身体反応として一般的な知識であり、正解に見えやすいです。混同注意:SDAの生理的メカニズムを理解していない場合。
- 3. 基礎代謝量は、安静時に生命維持に必要な最小限のエネルギー消費量であり、一般的に体表面積に比例すると考えられています。体表面積が大きいほど、放熱量も多くなるため、より多くのエネルギーが必要となります。したがって、この記述は正しいです。選びやすい理由:基礎代謝に関する正しい知識として認識されやすいため、正解に見えやすいです。混同注意:基礎代謝量と他の身体的指標との関係を混同している場合。
- 4. エネルギー代謝率(RMR: Resting Metabolic Rate)は安静時代謝率を指すことが一般的であり、活動時のエネルギー消費量を基礎代謝量で割った値は、METsやエネルギー消費量の倍数で表されます。しかし、ここでは「エネルギー代謝率(RMR)」という用語が「基礎代謝量を基準とした運動強度」を指すと解釈されており、この記述は活動時のエネルギー消費量を基礎代謝量と比較して表現する一般的な概念(例:エネルギー消費効率)に近い。この選択肢が問題文の意図と異なる場合は、誤答を誘う可能性がありますが、一般的な表現として解釈すると、基準を基礎代謝量とする点では正しい側面もあるため、他の選択肢との比較で判断されます。本問では「5. 代謝当量(MET)は安静臥位時の代謝量を基準とした運動強度である」が明らかに誤りであるため、こちらは相対的に正しいと判断される。正しくは:RMRは安静時代謝率を指し、基礎代謝量とほぼ同義。運動強度はMETsなどで表現される。しかし、ここでは基礎代謝量を基準にした運動強度という解釈を許容し、5がより明確な誤りとする。選びやすい理由:基礎代謝量を基準に運動強度を評価する概念は存在するため、この記述が正しいように思われやすいです。混同注意:RMRという用語の厳密な定義と、運動強度指標(METsなど)との関係を混同している場合。
- 5. 正解。代謝当量(METs)は、安静座位時(座って安静にしている状態)の代謝量を1 METとして、その何倍のエネルギーを消費するかを示す運動強度です。選択肢では「安静臥位時」と記述されていますが、METsの定義における安静の基準は「安静座位時」です。この細かな違いが誤りとなります。安静臥位時は安静座位時よりも代謝量がやや低い傾向があるため、厳密には異なります。正しくは:代謝当量(MET)は、安静座位時の代謝量を基準とした運動強度です。選びやすい理由:「安静時」というキーワードがあるため、一見正しい記述に見えます。臥位も安静状態であるため、引っかかりやすいです。混同注意:METsの基準となる安静状態が「座位」であるか「臥位」であるかという厳密な定義を混同しやすいです。
国試ポイント
代謝関連の専門用語の定義を正確に理解しているかを問う問題です。特に、METsの基準となる安静状態(座位か臥位か)という細かい点まで把握しているかがポイントとなります。他の選択肢も、呼吸商、特異動的作用、基礎代謝量、エネルギー代謝率といった基本的な概念の理解度を試しています。
混同注意
METsの基準が「安静座位」ではなく「安静臥位」であるという誤解。安静時という広い意味での捉え方をしてしまうと、臥位も安静であるため見過ごしやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、METsの具体的な計算方法や、異なる身体活動のMETs値、そしてMETsがどのような目的で用いられるかといった応用的な知識まで問われる可能性があります。また、安静時代謝量(RMR)と基礎代謝量(BMR)の厳密な違いや、それぞれが測定される条件なども注意が必要です。
関連知識
METsの他に、運動強度を表す指標としてRPE(自覚的運動強度)やHR(心拍数)などがあります。また、各種栄養素の呼吸商の具体的な数値や、基礎代謝量に影響を与える因子(年齢、性別、体組成など)も関連知識として重要です。特異動的作用がタンパク質で最も大きいことなども押さえておくべきです。